ラスボラ系は小型の熱帯魚として人気が高く、色彩や面白い模様を持つこと、そして性格が温和な種類が多いため混泳魚としてもよく導入されているのを目にします。
ここでは、ラスボラ系のひとつ「ラスボラ・エスペイ」という魚にスポットを当ててみたいと思います。
一見、ラスボラ・ヘテロモルファと瓜二つといった感じで、両者はよく比較されることがあるくらい非常に似ています。
ですが、並べてみればその違いはハッキリと分かり、エスペイにしかない魅力が沢山あります。
以下では、ラスボラ・エスペイの魅力や飼育方法、導入時の注意点についてご説明していきますね。
ラスボラ・エスペイとは
(画像:ラスボラ・エスペイ)
ラスボラ・エスペイは、コイ目・コイ科・トリゴノスティグマ属の熱帯魚で、主にタイやカンボジアに生息しています。
ちなみに、ラスボラとは、コイ目・コイ科・ダニオ亜科(ラスボラ亜科)に属する小型魚のグループのことを指します。
ラスボラ・エスペイは、もともとラスボラ属の熱帯魚でしたが、1999年のグループ細分化によって親属のトリゴノスティグマ属(Trigonostigma)に変更されました。
(画像:ラスボラ・ヘテロモルファ)
ちなみに、上の画像が良く比較されるラスボラ・ヘテロモルファです。
見比べてみると、確かに似ていますよね。
ですが、両方の画像を見比べると違いが一目瞭然でしょう。
ラスボラ・エスペイは、オレンジ色の発色は鮮やかで濃く現れ、体高が低くシャープに見えるのが特徴なんですね。
そして両者のチャームポイントともいえる、三味線のバチ模様もエスペイの方が細く小さいです。
ラスボラ・エスペイの鮮やかなオレンジ色は、どんなレイアウトにも合います。
特に、ネオンテトラ等の他の色彩が美しい熱帯魚との混泳や、水草水槽の緑色との相性は抜群です。
ラスボラ・エスペイの飼育データ
- 体長:3.5cm~4cmほど
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~28℃
- 寿命:3年程度
ラスボラ・エスペイは非常に丈夫で飼いやすい熱帯魚です。
初めて熱帯魚を飼う人でも容易に飼育が出来るため、入門魚としてもお勧めです。
性格が非常に温和な熱帯魚なので、他の熱帯魚との混泳を楽しむことも出来ます。
群れを作る姿が美しすぎる「ラスボラ・エスペイ」
ラスボラ・エスペイは群れを作って移動するという習性があります。
せっかく導入するなら、10匹~30匹というように、まとまった数のエスペイを導入したいところです。
ラスボラ・エスペイは、水槽の中層部分を中心に泳ぎます。
他の色の綺麗な熱帯魚との混泳はとても見ものなんですね。
例えば、ネオンテトラやカージナルテトラの「赤」と「青」にエスペイの「オレンジ」、水草の「緑」という風に水槽内にカラーを取り込むことで一層、見ごたえのある綺麗なレイアウトを作り出すこともできます。
ラスボラ・エスペイほど綺麗なオレンジを示す熱帯魚は珍しいので、貴重なカラーを持った魚であると言えるんですね。
ラスボラ・エスペイのかかり易い病気とは
ラスボラ・エスペイはとても丈夫で飼育しやすい熱帯魚ですが、僕ら人間のように病気にかかってしまうことだって当然あります。
小型の熱帯魚に良く見られる症状といえば、白点病やコショウ病といった白い点々が体表にあらわれる病気です。
これは、細菌(寄生虫)によるものなのですが、水温が25℃以下で発症しやすく、これよりも温度が下がれば下がるほど発症リスクは高くなる傾向にあります。
もし、体表に白い点々が確認出来たら、初期なら水温を高める(28℃くらいまで時間をかけて)だけで改善することがほとんどです。
ラスボラ・エスペイの繁殖は難しい
(画像:オスのラスボラ・エスペイ 繁殖期のオスは色が非常に鮮やかです)
ラスボラ・エスペイの繁殖は難しいとされていますが、しっかりと繁殖方法さえ分かれば水槽内での繁殖が可能です。
エスペイは粘着性のある卵を産むことで知られています。
それを体を上下逆さにして、葉の裏側にくっ付けるように産卵していくんですね。
なので、繁殖水槽には葉の大きめの浮草を浮かべておくか、アマゾンソードなどの葉の大きめの水草を植えておくと、産卵行動後で卵がどこにあるか見つけやすいかと思います。
卵は透明で見つけにくいですが、1個発見できれば、その周辺に沢山あるのを確認できるはずです。
2~3日もあれば孵化するので、その前に見つけて隔離してあげると繁殖がより成功しやすくなります。
オスとメスの判別方法ですが、成熟した個体を見ればすぐに判別可能です。
何といっても、オスの色彩は鮮やかで綺麗だからそれだけで判断できるのです。
メスは、オスに比べて色が薄く、抱卵でお腹が膨れているのが特徴です。
最後に
三角形のように、また三味線のバチのようなに見えるユニークな模様に、色鮮やかなオレンジ色の色彩が美しいラスボラ・エスペイ。
他の美しい熱帯魚と混泳も楽しめますし、水草水槽に群れを導入して綺麗な姿を楽しむのもいいですね。
また、繁殖が難しいとされているので、飼育に馴れてきたら今度は繁殖にも挑戦するのも面白そうです。