アクアリウムといえば「水質維持」が肝心で、フィルターやろ材に力を入れている人も多いでしょう。
今日では、水を綺麗にする商品が多々出回っていますよね。
ただ、種類がありすぎてどんなものを選べばいい迷ってしまいそうになります。
そんな水を綺麗にするアイテムの一つに「ゼオライト」というものがあります。
「ゼオライトを使えば水がピカピカになる!」というレビューも多いのですが、当然、使用にあたっての注意もあります。
ここでは、ゼオライトの使い方やメリット、デメリットについてご説明していきます。
目次
ゼオライトとは?
熱帯魚ショップで売られているゼオライトは、画像のように「白っぽい石」であることが多いです。
ゼオライトには、天然と人工モノが存在します。
ちなみに日本語では沸石(ふっせき)と言って、この石の特徴的な構造である「多孔質構造」、つまりスポンジのように無数に穴がある姿が、まるで沸騰しているように見えたことに由来しています。
ゼオライトという名前も、ギリシア語で沸騰という意味の「zeo」、石を意味する「lite」と、由来は「沸騰」と同じ意味からきているんですね。
天然ものだと、美しい透明度を誇る結晶のゼオライトも存在し、宝石のように綺麗なものもあるんですね。
「スコレサイト」「アポフィライト」「スティルバイト」など、ゼオライトには多くの種類が存在し、そもそもゼオライトという名前自体が、これらの鉱物の総称で使われる名前なのです。
白っぽいゼオライトでも天然物も存在しますが、安価で売られているものは工業用などに作られた人工ゼオライトで間違いないでしょう。
人工で作られるほど需要のあるゼオライトですが、その主な効果は「土壌を綺麗にする」「吸着力」「イオンを交換する力」などが挙げられます。
東日本大震災の時に起こった放射能汚染の除去に使用されたことから、ゼオライトは色んな分野から注目を集めることになりました。
アクアリウムにゼオライトを使用するメリット
アンモニアを強力吸着する
ゼオライトを使用するメリットは、生体にとって有害なアンモニアを吸着して水を綺麗にしてくれる効果があることです。
アンモニア濃度が上がる原因は、まず濾過があまり効いていない水槽であること。
それでいて、熱帯魚の数が多かったり、糞や水草の枯れが原因で濃度が上昇していきます。
そもそも、ろ過が良い感じで効いている水槽では、上記のアンモニア濃度上昇の原因になるものはバクテリアによって分解されるので、定期的な換水さえしていれば気にならないものです。
ただ、立ち上げ当初や、ろ過が追い付いていない状況下の水槽では、ゼオライトの使用は有効な手段だといえます。
上手く濾過が効くまでの補助として入れておくのもいいですね。
水を軟水にする効果がある
水は軟水~硬水と、中に含まれるカルシウムやマグネシウムイオンの含有量によって「硬さ」があります。
日本の水道水は、そもそもが軟水である場合がほとんどですが、水質が急に硬水に傾くこともあります。
その場合は原因を突き止め改善する必要がありますが、一向に改善されない場合にゼオライトの力を借りるのもいいでしょう。
ゼオライトにはイオン交換特性というものがあり、陽イオンを吸着する特性があります。
これにより、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを吸着し、水を軟水に傾けることが出来るという訳です。
水質を弱酸性に傾ける効果がある
ゼオライトは、pH値を下げて弱酸性に傾ける効果がります。
日本の水道水は、ちょうどいい感じでpH値は7の中性であることが多く、弱酸性を好む熱帯魚であれば、ゼオライトの性質を用いて弱酸性の水を作ることができるのです。
まあ、弱酸性を好む生体を飼っている場合に限りますが、水質を弱酸性に保つことでのメリットも大きいです。
それは、アンモニアの影響を最小限に抑えることが出来るという点です。
アンモニアはpH値7.3を超えたくらいから急激に増加することがあるのです。
それを抑えるために、ゼオライトで弱酸性を保つメリットは非常に大きいと感じます。
ニオイを吸収して消臭効果がある
ゼオライトは「空間の浄化作用」が非常に強力なことでも知られます。
つまり、嫌な臭いを消し去ってくれる便利アイテムとしても使えるんですね。
水槽内じゃなくても、お部屋のどこかに消臭剤として使用しても効果的なんです。
もちろん、水槽内でも効果抜群です。
水槽水から嫌な臭いがするという場合は、ゼオライトを入れてみると臭いが弱まってきます。
消臭効果でも素晴らしい効果を発揮するので、臭いが気になるという場合は是非お勧めです。
活性炭でも同じような効果があることから、よく比較されますが、ゼオライトの吸着力は活性炭の30倍ほどあるといわれています。
ゼオライトのデメリット
長期使用に注意!
ゼオライトは種類にもよりますが、長くても半年に1度は交換するのが望ましいです。
交換頻度に関しては、一概には言えませんので商品の表記を良く確認しましょう。
長く使えば当然、効果も薄れてきて、次第に効果がほとんどなくなります。
しかし、ゼオライトは再利用も可能な鉱物なんです。
使い古したゼオライトを、濃度の高い塩水に浸けると吸着したアンモニア等を、今度は逆に放出させる効果があるのです。
完全に放出させた後に、直茶日光に当てて乾燥させればリセットできて、また使用することが可能となります。
しかし、少々厄介なことに完全に吸収した成分を放出できていなかった場合、それを使用すると水槽内でアンモニアを放出してしまう恐れが出てきます。
なので、再利用せずに全く新しいゼオライトに交換してしまった方がいいかと思います。
まあ、ろ過が効いている水槽では多少のアンモニアが放出されたところでバクテリアによって分解されるので気にしなくてもいいかもしれませんが。。。
エビ類の水槽での使用
水草水槽ではコケ対策でヤマトヌマエビやミナミヌマエビといった、エビ類を入れている人も多いはずです。
水草水槽は水質を酸性に傾けるソイルを使用する為、水質が弱酸性の場合がほとんどです。
なので、水質だけでいえばゼオライトを使用する必要はないといえます。
本来、エビ類は中性~弱アルカリ性を好む生き物で、あまりに水質を酸性へと傾けてしまうと脱皮不全だったり、色が白っぽくなる白化の原因にもなるといわれています。
使用するにあたって
ゼオライトを使用するメリットはかなり大きいです。
ただ、そのあまりに強力すぎる性能ゆえに、濾過が効いている水槽では、使用しない方が無難と考える人も多いです。
そもそもアンモニア濃度が上昇した時に、ゼオライトを投入すれば確かに効果はあります。
ですが、原因を改善した訳ではないので、ゼオライトを入れる他に、換水や水質管理を見直し元を絶たなくてはいけません。
水質のバランスが崩れた時に一時的に使用するアイテムとしては、かなりオススメできるアイテムです。