コッピーの愛称で人気の「アカヒレ」は無加温飼育が可能で小さいコップ(容器)でも飼育が可能な温帯魚

アカヒレ

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熱帯魚で人気の種類の一つに「アカヒレ」という魚がいます。

実は、このアカヒレという魚は、ベタ同様に小さなコップ等で簡単に飼育が出来ることで知られています。

そのため、コッピーという可愛らしい名前で親しまれているんですね。

名前の通りヒレが赤く染まる美しい、小型の熱帯魚です。

ここでは、アカヒレの魅力や飼育方法、導入時の注意点についてご説明していきます。

 

アカヒレについて

アカヒレは、コイ科に属する中国が原産の淡水魚です。

一目見た時に、尾びれの真っ赤な色が目につくことが名前の由来ですが、エラ付近から尾びれまで伸びるブルー(黒っぽくもある)とシルバーのラインも魅力的です。

アカヒレは中国の白雲山に生息していましたが、開発が進むにつれて現在は絶滅したといわれています。

※広東省の一部で野生種が発見されているという情報があります。

ベトナムの北部で同種が発見され「ベトナムアカヒレ」という名前で出回っていますが、性質や飼い方が異なりますのでご注意ください。

つまり、今出回っている中国原産のアカヒレは現地採取のものはゼロで、ブリード個体のみが出回っているということですね。

そして、コップでも飼える丈夫なアカヒレは中国原産のアカヒレのみとなります。

かつて、ネオンテトラが1匹数万という超高価だった頃があったのですが、その頃からアカヒレは非常に安価で取引されていました。

そんな、高価なネオンテトラに手が出せない人のためにと、アカヒレを「プアマンズテトラ」(貧乏人のテトラ)として売られていた時期があったのです。

現在では、ネオンテトラは東南アジアを中心に大量にブリードが進んで、コンスタントに入ってくるようになっている為、現在では同じくらい、もしくはネオンテトラの方が安価で手に入る場合だってあるくらいです。

需要と供給とは凄いものですね。

 

アカヒレの飼育データ

  • 体長:3.5cm~4cm
  • 水質:中性~弱アルカリ性
  • 水温:10℃~30℃
  • 寿命:3年ほど

 

大きくなっても最大で4cmほどなので、小型の魚に分類されます。

性格が温和な為、他の熱帯魚との混泳も楽しめます。

同種同士、特にオス同士で威嚇したり追い払ったりすることがありますが、基本的に温和でおとなしい魚の為、他の魚に害をなすということはまずないでしょう。

鮮やかな赤色のヒレが目立ちますので、水草水槽に入れると水草の緑と、赤色の相性が良く、より美しい鑑賞を楽しめるはずです。

 

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無加温飼育が可能

アカヒレは厳密にいえば熱帯魚ではなく、温帯に生息している温帯魚といっていいでしょう。

そのため、他の熱帯魚よりはるかに低水温に対応できるのが特徴です。

下は10℃、上は28℃まで対応できるので、基本的にヒーター無しで飼育が出来る、つまり無加温飼育が可能な魚ということになります。

ヒーターなしで注意すべき点は、水温が10℃をした回らないようにすることです。

10℃より水温が下がっても大丈夫ではあるのですが、冬眠状態に入って動かなくなるので、観賞魚として飼う以上は10℃以上必要ということなんですね。

暖かい地域であれば、ヒーターなしで1年中飼育が可能ですし、屋外でも越冬が可能です。

ただし、水温が急激に下がるようなら、冬場はヒーターの使用が望ましいといえます。

 

コップで飼育できる理由

アカヒレは、小さなコップなど飼育できることから「コッピー」という名前でも親しまれていますが、ここで疑問なのがエアレーションしなくてもだ丈夫なのかということです。

例えば、同じく小さな容器で飼育できる熱帯魚でベタがいます。

ベタは、迷宮器官といわれる「ラビリンス器官」という呼吸器官が備わっていて、口から空気を取り入れることが出来るため、エアレーションなしでも問題なく生きていけます。

では、アカヒレはどうかというと、アカヒレの場合は「酸欠に非常に強い魚」というのが小さい容器で飼うことが出来る理由となります。

つまり、少ない酸素量しか消費しないハイブリッドな魚なんですね。

水は常に水面から酸素を取り込んでいて、水面付近の酸素濃度は高くなっているので、それだけで十分だということになります。

ただ、小さい容器に多くの数を入れすぎると酸欠のリスクは高くなるので注意が必要です。

また、小さいコップで飼う場合は水量が少ないため、水質の悪化が早く飼育が難しいのであまりオススメ出来る飼育方法ではありません。

エアレーションのブクブクで酸素量は増えない!?溶存酸素との関係性を知り効率よく増やして酸欠を防ぐ!

 

アカヒレは繁殖が容易な魚

アカヒレは水槽内での繁殖が容易な魚です。

普通のアカヒレの場合は、雄は尾ビレの発色が強く出て綺麗です。

メスは、尾びれの発色が薄く、抱卵のためお腹が膨れるので、見た目で判別か容易に出来ます。

産卵時期になるとオス同士の威嚇行動が目立つようになり、メスに対してヒレを使った求愛行動(フィンスプレッディング)が見られます。

卵はばら撒くように生む「ばら撒き型」という産卵形態の為、散らばった卵は親や他の魚に食べられる恐れがあります。

繁殖させるなら、ウィローモスなどで複雑な茂みを作って産卵させ、産み落とされた卵を発見したら別水槽に移すか、産卵ケースなどを設置して隔離するようにしましょう。

また、一時的に繁殖水槽に複数匹のペアを移して、産卵が終わったらもとの水槽に戻すという方法もあります。

 

アカヒレは餌を食べるのが速い!?

アカヒレは餌を食べる速度がとても速いことで知られています。

単一での飼育なら問題ありませんが、混泳水槽でアカヒレを導入するときは注意しなくてはいけません。

餌を食べるスピードが速いので、他の熱帯魚に十分な餌の補給が出来ない場合が考えられます。

数がそれほど多くなければ気にする程でもないかもしれませんが、混泳させる魚の性質を事前に調べてから導入したり、全体に餌が行きわたるよう工夫して餌付けする必要が出てくるかもしれません。

 

アカヒレのかかり易い病気

まずアカヒレを低水温で飼う場合に注意しなくてはいけないのが、白点病とコショウ病があります。

これらの病気は低水温で発症することが多いことで知られています。

ただ、初期症状で見つけることが出来れば、水温を30℃くらいまで高めることで改善される場合がほとんどです。

急激に水温を上げるのは危険なので、徐々に水温を上げて30℃ほどにして1週間ほど様子を見るといいでしょう。

また、水質悪化による尻ぐされ病、エロモナス症(まつかさ病)などにもかかり易い傾向にあります。

これらの病気は発症すると致死率が高いので、定期的な換水で水質を綺麗に保つようにしましょう。

 

最後に

アカヒレは、その名の通り、尾ビレが鮮やかな「赤」に染まる美しい魚です。

小さなコップでも飼うことが出来ますが、ある程度の水量がある容器のほうが水質の維持がしやすく買いやすいので、最低でも20cmの水槽くらいは用意してあげるのが理想です。

飼育が慣れてきたら繁殖にチャレンジするのもいいですね。

オスがとる求愛行動のフィンスプレッディングは、ヒレを大きく開いて自分を大きく見せ、まるでダンスを踊っているかのような行動が見られます。

複数のアカヒレを飼っている水槽だと、繁殖期になるとオス同時で威嚇しあったり、求愛行動を取ったりと水槽内が賑やかになり、見ていて楽しいですよ。

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