アクアリウムで飼育する熱帯魚で、古くから人気のある種で「ブラック・テトラ」という熱帯魚がいます。
決して派手な体色ではありませんが、体高があり、そして発達したヒレが美しく、とても見ごたえがある熱帯魚なんですね。
タキシードを纏うような色彩から、注目を集め非常に人気のある種なのですが、カラシン科ではやや大きめに成長し、しかも気性が荒いため他の熱帯魚との混泳には注意が必要となります。
ここでは、ブラック・テトラの飼育方法や導入時の注意点(混泳など!)についてご説明していきたいと思います。
ブラック・テトラについて
ブラック・テトラは、アルゼンチンやパラグアイのグァポレ川に生息するカラシン科の熱帯魚です。
体形が「ひし形」のような感じで体高があり、背びれと尻ビレが発達して全体的に大きく見えるので、優雅で見ごたえがある熱帯魚なんですね。
特徴としては、エラの後方に2本入る縦線がチャームポイントとなっており、若いころはタキシードを着ているかのように、体の半分後ろが真っ黒に染まるユニークな色彩が楽しめます。
成長するにつれて黒色はだんだんと退色していき、色合いが明るくなってきます。
成魚では、タキシードを脱いだ全身ギラギラのシルバーへと変貌します!(2本の黒い縦バンドは残ります)
色の変化を楽しめるという意味では、飼育のし甲斐がある熱帯魚といえますよね。
あまり派手じゃなく、むしろシックでカッコいい熱帯魚が欲しいという方には、お勧めの熱帯魚といえます。
ブラック・テトラの飼育データについて
- 体長:6cm~8cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20℃~26℃
- 寿命:5年前後
- 参考価格:1匹あたり150円ほど
ブラック・テトラは、体長が最大で約8cmほどの小型~やや中型の熱帯魚です。
丈夫な魚で飼育がしやすいので初心者にもお勧めの種です。
ただし、気性が荒い熱帯魚なので、他の熱帯魚を混泳させるときは注意しなくてはいけません!
ブラック・テトラの混泳時の注意
ブラック・テトラは、気性が荒く他の熱帯魚にも攻撃的なんですね(汗
そんな性格から察するように、基本的に他の熱帯魚との混泳には向いていない種となります。
コケ取り対策に導入されやすい、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビは最高のご馳走となってしまう為、混泳させてはいけません。
低層を泳ぐコリドラスとの相性はいいようで、僕の経験上、ブラック・テトラがコリドラスを攻撃したり追いかけまわすといったことは今まで経験したことがありません。
また、動きの素早いネオンテトラを複数入れても、問題なく混泳できることが多いです。
ブラック・テトラのように気性が荒い熱帯魚は、縄張り、いわゆるテリトリーを持つものが多いんですね。
そういった熱帯魚を飼育する場合は、同種を複数で飼育することで、特定の個体が攻撃されるこのを防ぐことが出来、また他の動きの素早い熱帯魚を複数導入することでテリトリー意識を弱める効果があります。
つまり、極端な言い方をすると、ちょっと過密状態で飼った方が飼育が上手くいくという事なんですね。
まあ、気性の荒さには個体差があるので、あまりにも攻撃的な個体がいるときは隔離が必要となるでしょう。。。
柔らかい水草に注意
ブラック・テトラは、水草をかじってぼろぼろにしてしまうことがあります。
このシックな色合いは水草レイアウトに良く合うので、出来れば水草を沢山茂らせたような水槽で飼育したいところですよね。。。
なので、葉の硬い水草を積極的に取り入れたようなレイアウトにするのがお勧めです。
葉の硬い水草と言うと、アヌビアス・ナナやミクロソリウムあたりが有名どころで、是非お勧めです!
ブラック・テトラの繁殖について
ブラック・テトラは、水槽内繁殖が可能な熱帯魚です。
カラシン科の熱帯魚は繁殖が難しいと言われますが、その中でも比較的容易である種だといえます。
繁殖期になるとメスは抱卵でお腹が膨らんできます。
そして、オスがメスを執拗に追いかけまわす行動が見られ、水槽内が騒がしくなってくると産卵間近だと判断してもいいでしょう。
確実に繁殖を成功させたいときは、繁殖用水槽を別に作り、産卵床となるウィローモスを敷きます。
産卵はカラシン科に多い「バラ撒き型」といってバラ撒くように卵を産み落とします。
卵は小さく良く見ないと確認できないので、水槽の底やウィローモスをよく見て、卵を確認したら親を元の水槽に移して、卵を食べられるのを防ぎます。
卵は1日~2日ほどで孵化しますので、粉末状の餌やブラインシュリンプを用意しておきましょう!
さいごに
ブラック・テトラの魅力は、まず色彩にあります。
小さい時はタキシードを着ているかのように中央から下半分が真っ黒なのですが、成長するたびに徐々に色彩が明るくなり、タキシードが剥がれていきます(笑
飼い込めば飼い込むほどに、色の変化が出てくるのは、毎日の観察が楽しいですよね!?
気性が荒くて混泳にはあまり適していない熱帯魚なので、ブラック・テトラだけでゆったりとした水槽で飼育してあげるのが良いかもしれませんね。
ちなみに、似たような名前の熱帯魚に「ブラックファントム・テトラ」がいて、名前が混合しがちですが全くの別魚です。
コッチは、気性が温和で他の熱帯魚との混泳が気軽に楽しめる種となっています。