海水魚の体表の汚れや寄生虫を食べるエビ「スカンクシュリンプ」の飼育方法と注意点

スカンクシュリンプ

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マリンアクアリウムで飼育する生体には、低床のサンゴを掃除してくれるものや、発生するコケを食べてくれるものなど、いわゆる掃除屋さん的な生き物たちが存在します。

驚くことに中には、海水魚の体表に付いた汚れや寄生虫を食べて綺麗する”クリーナーシュリンプ”と呼ばれるエビがいるんですね。

そのクリーナーシュリンプの代表的存在といえば「スカンクシュリンプ」があまりにも有名です。

「スカンク!?」と、思われる方も多いかもしれませんが、これは動物のスカンクに似た模様から由来しており、和名はアカシマシラヒゲエビと呼びます。(なんだか早口言葉みたい言いにくいですね・・・)

色彩も、さすが海水生物と言った感じで、とても美しいエビなんですね!

ここでは、スカンクシュリンプの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきたいと思います。

 

スカンクシュリンプについて

スカンクシュリンプは、インド洋や伊豆半島より南の太平洋海域に広く生息するエビで、クリーナーシュリンプとして名高い種なんですね。

体色は黄色っぽく、背中に鮮やかな赤色と、その真ん中に真っ白なラインが入る、なんとも美しいカラーバリエーションを持っています。

「スカンク」といえば、あの危険を察知するとオナラを出すことで有名な動物のスカンクをイメージしそうですが、この背中に入る白いラインがスカンクの模様に似ている、つまり「見た目」から由来しているだけで、特にスカンクのような特殊能力があるわけではありません(笑

一方で、海水魚たちはこの白いラインを見て、「これはクリーナーシュリンプだ!」って本能的に理解しているんだそうです。

「掃除するエビ」というのは、以前からテレビでも何度も見たことがありますので、同じく見たことがあるという方も多いかもしれませんが、ウツボやハタなどの大型海水魚ですらスカンクシュリンプを食べてしまうことは無く、ジッと身を任せて体表、エラ、口の中まで綺麗に掃除してもらう姿にはすごく驚かされました。

海水魚は体を掃除して綺麗にしてもらう、スカンクシュリンプは餌を提供してもらう、互いにメリットがあるからこそ成り立つことなんです。

 

スカンクシュリンプの飼育データ

  • 体長:約7cmほど
  • 水温:18℃~26℃
  • 寿命:推定4年~5年
  • 参考価格:1匹あたり2000円前後

 

スカンクシュリンプは、体長が最大で7cmほどまで成長するエビです。

「クリーナーシュリンプ」と呼ばれば、熱帯魚の体を隅々まで綺麗にするという行動が水槽内で見られるので、海水魚と混泳させてこそ面白い生き物です!

また、サンゴを育成している水槽に入れても問題なく飼育が出来ます!

一応、クリーナーシュリンプとして認識している魚は、スカンクシュリンプを襲うことはありませんが、甲殻類を大好物とするゴンべやベラの仲間には注意が必要です。

導入前に、混泳させても大丈夫かショップの店員さんに確認するなり下調べをした方が安心して導入できますね。

飼育はとても容易なエビなので、海水魚と混泳させてじっくりと興味深い習性を堪能しましょう!

 

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水質の変化に敏感な面があるので注意が必要

スカンクシュリンプはとても丈夫なエビですが、水質の急変に弱い面があります。

なので、購入してきて水槽内に導入する前には、しっかりと時間をかけて「水合わせ」をするようにしましょう!

熱帯魚を水槽に入れる前に!水合わせの基本で王道「点滴法」に必要な道具とやり方

 

また、換水時にも水温の急変が起こらないよう、水槽内と同じ温度に合わせてから投入するよう心掛けていれば問題なく飼育が出来ます。

 

薬品類にも注意を

スカンクシュリンプは寄生虫を食べてくれるエビですが、一つ注意したいのが白点病の病原菌を食べることは無いという事です。

白点病は熱帯魚の病気の中でも最も多いもので、自然界では確認されていなく、水槽のような閉鎖的な空間でのみ発症するものなんですね。

白点病は早期であれば簡単に治りますが、治療用の魚病薬の使用に注意が必要なんです。

熱帯魚は薬の成分に対して何ら問題は無くても、エビは薬品類に弱く、魚病薬の成分で死んでしまうことも少なくありません。

なので、海水魚が病気に掛かった場合は、治療用の別水槽に移して薬浴するようにしましょう!

 

脱皮時の注意点

スカンクシュリンプは水槽内で頻繁に脱皮をします。

脱皮をする時は、最も無防備になるんですが、この時に熱帯魚にちょっかいを出されたり、同種に邪魔されると、脱皮が失敗して死んでしまうこともあるんですね(汗

なので、スカンクシュリンプを飼育する場合は、ライブロックなどで身を隠せるような場所の確保をしておいた方が安全に飼育が出来ます。

 

アイオディンサプリメントという「ヨウ素添加剤」は、もともと生体の免疫力を向上させる目的で利用されていましたが、エビの脱皮をしやすくする効果も持っているんですね。

脱皮不全が原因で死んでしまうこともありますし、ヨウ素はサンゴや海水魚にとっても必要な成分なので、添加剤を用いるのもいいでしょう。

 

スカンクシュリンプの餌

スカンクシュリンプは、基本的に何でも食べます。。。

水槽内を全域を歩きながら常に餌を探しており、海水魚用の餌を投入すると水面まで上がってきて餌を食べることもあります(笑

与える餌の種類は何でもいいので、海水魚用の既に持っている人工飼料をメインに与えていれば十分でしょう。

スカンクシュリンプは、貪欲で水面の餌までも我先に取って食べることもあるくらいです。

が、もし低層から動かず低に落ちる間に他の海水魚に餌のほとんどを食べられてしまい、スカンクシュリンプの元まで送ることが出来ないという場合は以下を試してみてください!

【熱帯魚】プロホースのパイプ部分を使って低層魚へピンポイントに給餌が可能で便利!

 

さいごに

海水魚の体を綺麗にしてくれる「スカンクシュリンプ」は、その習性をじっくり観察するだけでも楽しいですが、それだけじゃなく美しい色彩の持ち主でもあるので、1匹でも水槽内にいるだけで映えて綺麗なんですね。

魚がジッとして掃除してもらっている姿は見ものなので、マリンアクアリウムをするなら絶対に一度は見たい光景ですよね!

お気に入りの海水魚を綺麗にしてもらいたい方、低層をにぎやかにしたいという方にも、スカンクシュリンプは是非オススメです!

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