熱帯魚を購入したら、水槽内に入れる前に必ず行わなくてはいけないのが「水合わせ」です。
これは、熱帯魚が入っている袋の水質と、水槽内の水質が違う為、いきなり移してしまうとショック症状を引き起こして最悪の場合は死んでしまうこともあるんですね。
人間も、寒暖の差が激しいと風邪が引きやすいって言いますよね。
冬場なんか暖かい部屋にこもっていて、たまに外に行くときなんかは特に風邪をこじらせやすいですが、それと似たようなものですね。
大切な魚を安全に飼う為に、水合わせのやり方を覚えて、水槽に入れる前には必ず行うようにしましょう。
水合わせの手順
熱帯魚などの生体を購入すると、画像のような空気がパンパンに入った袋に詰められた状態となっているのが普通です。
これは熱帯魚ショップで購入しても、ネット通販で購入しても同じでしょう。
温度調節
水合わせの第一段階は「温度調節」です。
これは、購入時の袋をそのままその魚を入れる水槽に浮かべておくだけです。
これで袋の中の水と、水槽の水温が同じになるまで浮かべておきます。
いきなり温度差のある場所に移すと、ショック症状を起こす引き金になるのでそれを防ぐ為の作業となります。
浮かべておく時間は、1時間程度も浮かべておけば十分でしょう。
心配な時は水温計で袋の中の水温を計るとより安心ですね。
水質合わせ
水合わせが終わったら、次に行うのが「水質合わせ」です。
もともと売られていたショップの水と、水槽内の水質は違いますから、これも負担なく合わせてあげる作業が必要となります。
水質といえば、弱酸性とか中性とか弱アルカリせいとかのペーハー(PH)値が重要で、このペーハーが離れた所へいきなり移すと「ペーハーショック」という症状を引き起こし、かなり危険です。
水質合わせの方法は2通りありますが、一つは画像のように水槽内で袋の一部を少しだけ穴を開けて、ピペットで水槽内の水を少しずつ入れていく方法。
この時、袋の中の水は水槽内へ漏れないようにしてください。
もう一つは、バケツなどに全部移してからエアーチューブの逆流作用(サイフォーンの原理)を利用してゆっくりと水合わせする方法です。
この方法で行う場合が一般的で、「点滴法」とも呼ばれています。
ここでは、最初に紹介した水槽内で行う方法で水質合わせをしていきます。
袋に穴を開けると空気が抜けていき、袋が水中に沈んでしまいます。
そこで、ピンセットなどを利用して画像のように引っかけておくと、ちょうどいい位置に留めることができます。
この方法のメリットは、長時間かけて行う時でも水槽内に袋があるので水温の変化を気にしなくていい所です。
バケツなどに移して水質調整をする場合は、長時間かけて行う場合はヒーターが必要になります。
特に室内が寒いときは、この方法で行うのが楽です。
ちなみに、水合わせをするときはエアレーションを使用することが普通と考えられています。
時間をかけて行うときは、袋の中にエアストーンを入れてエアレーションした方がより安心して水合わせを行うことができます。
スポイトやピペットを利用して、水槽内の水を吸い取ります。
これらの道具が無ければ、小さいカップなどでも代用できます。
そして、穴を開けた部分から少量ずつ時間をかけてゆっくりと水質合わせをしていきます。
あくまでも「ゆっくり」がポイントで、いきなり大量の水を入れるのはNGです。
入れるだけではなく、「袋の水を吸い取って捨てる」「水槽内の水を袋の中に入れる」の作業を繰り返し行っていきます。
捨てた水量と同じ水量を入れるって感じで作業していけばいいですね。
時間の間隔は1動作につき5分~10分あければ大丈夫です。
回数は水量にもよりますが5回前後行うのが理想です。
この動作が終われば「水合わせ」は完了となります。
あとは、ネットで魚をすくって水槽内に入れるだけ!
袋に入っている水ですが水が汚れてい事も考えられるため、出来るだけ魚だけをネットですくって入れるようにしたいところです。
ですが、絶対に入れてはいけないというものではないので、そこまで神経質にならなくてもいいでしょう。
水槽内に熱帯魚を入れてすぐは、よく観察して元気に動いているか、違和感がないかをチェックするようにしましょう。