熱帯魚を飼育する上で、必ず行わなくてはならないのが換水です。
現在では高度な技術によって、水を綺麗に保つ商品が多数出回っていますが、換水頻度を少なくすることは可能ですが、換水を全くしなくてもいいというシステムまでは至っておりません。
その換水時に「使用する水」ですが、浄水器を使っても大丈夫なのかという疑問を持つ方が結構多くいるみたいですね。
これに関しては、使用する浄水器の種類や、飼育している生体によって使用してもいいし、使用しなくても大丈夫なんですね。
ここでは、浄水器による換水についてご説明していきます。
浄水器を使用した換水について
浄水器といえば、水を綺麗にしてくれるものなので、これを使用した水を熱帯魚に使えないのかと考える人も少なくありません。
事実、僕も浄水器で綺麗にした水を使った方が早くて便利なのでは。。。と思っていましたからね。
ちなみに、ここでいう浄水器とは、蛇口にくっ付ける簡易タイプのものを中心にご説明していきます。
熱帯魚などの生体用に開発されたものであれば、言うまでもなく使用できますから、わざわざ説明する必要もありませんからね。
熱帯魚用といえばRO(リバースオスモシス・システム)といって、逆浸透膜の浄水器が有名です。(超高価です!)
蛇口に取り付ける簡易タイプの浄水器について
蛇口に取り付けるだけの浄水器といえば、価格が安価で導入しやすいのが嬉しいところですね。
この浄水器は、水を通して「濾過」を行うことで水を綺麗にするんですね。
そして、中に入っているものが「活性炭」や「中空糸膜(ちゅうくうしまく)」というものがほとんどです。
活性炭といえば、アクアリウム用品でもよく利用されていて、水槽内に入れると水をクリーンにしてくれることで知られています。
特に上部式フィルターのカートリッジに、活性炭が使用された商品は非常に多いです。
他にも、様々なものに使用されるくらい、活性炭はアクアリウム界でも重宝されていることが分かります。
問題は、中空糸膜が入っている製品です。
これが使用されている浄水器は、使用しない方が無難なので、その理由について詳しくご説明していきます。
家庭用の浄水器の中空糸膜の危険性とは?
浄水器を使用すれば、熱帯魚に有毒な塩素を除去することは可能です。
ただ、家庭用の簡易型浄水器のほとんどが、活性炭と中空糸膜のフィルターが使用されています。
活性炭には、バクテリア(微生物)を活性化する作用があります。
これは、水槽内であればいいですが、飲み水としてはちょっと問題がありますよね。
そこで、この菌を殺すためと、塩素を取り除くために、中空糸膜フィルターには「合成界面活性剤」や「銀イオン」が蒸着されているんですね。
水が通ったとき、フィルターに使用されている銀が溶け出して、水中の塩素や菌を殺すという仕組みになっているんです。
ちょっと怖い話が、合成界面活性剤は親水化の為に使用されているのですが、大手メーカーは企業秘密として、親水化剤に何を使用しているか公表していないということです。
また、日本の浄水器は銀イオンの使用表示をしていないのも怖く感じます。
水中に溶け出した銀は微量なので人間には害がないといわれていますが、国によっては既に規制対象となっているところもあります。
まあ、害があるんでしょうね・・・。
実際に、銀は水銀と同じように体内に入ると排出されることなく蓄積し、そのうち体に障害をきたすことになります。
熱帯魚などの水に依存する生体にとっては、かなり有害な物質であることは間違いありません。
つまり、家庭用の簡易浄水器の使用は、「銀」と「何が使用されているか分からない親水化剤」を混入してしまうリスクがあるんですね。
もし、浄水器を使用したい場合は、熱帯魚専用のものか、実際に熱帯魚に使用されているレビューなどを参考に、よく下調べしてから導入するようにしましょう。
基本的に換水はカルキ抜きだけでOK
熱帯魚の換水は、特に飼育が難しいものでない限り水道水を塩素中和剤でカルキ抜きするだけで大丈夫です。
日本の水道水は、中性前後の軟水の水が出てくるので、熱帯魚を飼育する上ではかなり好都合で恵まれているんですね。
水道水には殺菌するために塩素が使用されているのは有名ですよね。
これは熱帯魚にとっては有毒になるので、市販のカルキ抜きで中和する必要があります。
また、排水管などに付着する錆が溶け出して、重金属類が含まれることもありますが、この重金属を中和する商品も充実しています。
カルキ抜きは、安価なもので十分です。
なので、基本的には浄水器を使用してまで水を綺麗にしようと考えなくても大丈夫だということなんですね。
むしろ、熱帯魚にとって水は命でもありますから、何か使用するときはしっかりと調べてからじゃないと、逆効果になることもあるので注意が必要といえます。