色鮮やかな熱帯魚が多く存在する「海水魚」ですが、その中でも一際”レモンイエロー色”が目立つ魚の「イエローコリス(コガネキュウセン)」をご存知でしょうか。
“カナリアイエロー”とも呼ばれる明るい黄色は、水槽内では特に目立って美しい存在となります。
ここまで単一の黄色だけっていう海水魚も珍しいので、多色を持つ種類と混泳させる種としても重宝されています。
シュっとスマートな体形で、なんだか愛嬌のある顔立ちも見ていて楽しいですよ!
ここでは、イエローコリスの飼育方法や導入時の注意点などについてご説明していきたいと思います。
イエローコリスについて
イエローコリスは、西部太平洋に生息するベラの仲間です。
別名の「コガネキュウセン」という名前でも有名な海水魚です。
ベラの仲間は、成長すると体色が変化していく種が多いのですが、イエローコリスの場合はほとんど色彩に変化がない珍しい種なんですね。
ちょっと変わるといえば、背びれ部分にちょこんと「目」のような黒いスポット模様があるのですが、成長するに従い、このスポット模様が消失するくらいです。
ベラの中でも小型種に分類され、性格も大人しく、混泳魚として最適です。
また、イエローコリスは面白い習性を持った海水魚でもあるんです。
というのも、このイエローコリスは「砂に潜って眠る」魚なんですね。
この砂に潜って寝るという習性は、水槽内でも見られるので、低床にはパウダータイプのサンゴ砂ものを使用するのが望ましいといえます。
イエローコリスは、自分の中で体内時計のようなモノ機能が備わっているといわれ、”寝る時間”になったら、たとえ照明器具がMAXで付いてたとしても、砂に潜って自分のタイミングで寝るという面白さてんこ盛り級の海水魚なんです(笑
イエローコリスの飼育データ
- 体長:12cmほど
- 水温:24℃
- 寿命:推定3年~4年ほど
- 参考価格:1匹あたり1500円前後
イエローコリスは、体長が最大で12cmほどまで成長する、やや中型の海水魚です。
ベラの中では小型種なので、比較的小さい水槽からでも飼育が楽しめるのが良いですね!
同種同士では小競り合いをすることがありますが、激しい喧嘩をするほどではありません。
基本的には大人しい魚なので、他の温和な海水魚との混泳も問題なく出来ます。
丈夫で飼育のしやすい海水魚なので、初心者が最初に選ぶ魚種としてもお勧めの存在です!
イエローコリスの餌について
イエローコリスは、人工飼料や冷凍飼料など、基本的に何でも食べてくれます。
導入直後から人工飼料や乾燥餌をバクバク食べたりするので、最初の餌付けで苦労することがほとんど無いのも飼育がしやすいと言われる所以でもあります。
なので、人工飼料をメインに与え、たまには冷凍飼料や活餌などを与えるのもいいですね。
イエローコリスとサンゴとの相性
イエローコリスは、サンゴに害を与えることは無いので、サンゴを沢山入れているようなレイアウトにも安心して導入することが出来ます。
イエローコリスの鮮やかな黄色と、美しいサンゴの色合いがマッチして、観賞価値の高い水槽になりそうですね!
イエローコリスのかかりやすい病気「白点病」
イエローコリスは、白点病に掛かりやすい傾向にあります。
白点病とは、その字の通り海水魚の体表に白い点々が現れ、重症化していくと全身に無数の白い点々が広がってしまいます。
この白い点々は、白点虫と呼ばれる寄生虫の集合体で、これが海水魚の体表に寄生することで発症します。
白点病は、自然界では見られないような病気で、水槽内のような閉鎖的な環境で起こる特有の病気で、淡水魚・海水魚ともに最もかかりやすい病気の一つでもあるんですね。
白点病が発症する原因としては、水温の急変がトリガーとなり、魚が体調を崩すようなと時に多く見られるという特徴があるんですね。
購入してきて、魚を水槽に移す際は、「水温合わせ」と「水合わせ」をしっかり行うことが白点病の発症リスクを大幅に低下させます。
また、25℃以上の水温ではほとんど発症しないので、25℃前後の水温を保ち、換水時の水温の変化に気を付けるようにしましょう!
白点病が発症してしまったら
白点病は早期に発見、初期治療をすると簡単に回復します。
淡水では水温を高めるだけでも改善することがありますが、海水では細菌の種類が違う為か、水温を高めると逆に蔓延してしまう恐れがあります。
白点病を発症した個体を見つけたら、別水槽に隔離して魚病薬で薬浴させるといいでしょう。
※魚病薬は海水魚に効果のあるものを選ぶよ、表記を確認するかショップの店員に確認するようにしましょう!
さいごに
他にはなかなかいないような、全身イエローな美しい体色に、砂に潜って眠るという面白い習性が見られるイエローコリス。
この面白い習性は、アクアリスト達を「自分の水槽でじっくり観察してみたい!」と思わせるような、魅力的なものでもありますよね(笑
鮮やかな黄色の熱帯魚が1匹でもいるだけで、水槽全体を明るく演出すらできるので、明るめの魚が欲しいという場合はイエローコリスを導入するといいかもしれませんね。
また、黄色い海水魚が欲しいという方には、イエローコリスは絶対に外せない存在になるのではないでしょうか!?