熱帯魚には様々な色彩のものがいるけれど、中にはカメレオンのように体色を周囲に合わせて変化させる面白珍しい魚がいるんですね。
そんな、体色を変化させる熱帯魚と言えば「バジス・バジス」が有名です。
体長が6cmほどの小さな熱帯魚なので、比較的小さな水槽でもこの面白い性質を楽しむことが出来ます。
また、発情したオス同士はフィンスプレッティングといって、各ヒレを広げて自分を大きく見せる行動を取るのですが、この時はヒレが鮮やかな青の発色が現れて一段と美しくなります。
それにしても、色彩を変化させる習性を水槽内で観察できるなんて面白いですよね!
以下では、バジス・バジスの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきますね。
バジス・バジスについて
バジス・バジスは、インドに生息するバジスの仲間です。
周囲の色に合わせて体色の色彩を変化させるという面白い性質から、カメレオンフィッシュと言う名前でも古くから親しまれている熱帯魚なんですね。
決して派手だったり鮮やかと言った色彩ではありませんが、水槽内で移動するたびに体色の変化が見られるため、まさに色の変化を楽しむ熱帯魚といっていいでしょう!
水槽の環境に慣れると、結構ひと懐っこい魚で、コッチが水槽に近づくとバジス・バジスもガラス面に寄ってきて餌を欲しがる仕草がなんとも可愛らしいです(笑
バジス・バジスは、カワコザラガイという水槽内に大発生することのある白くて小っちゃい貝を積極的に食べてくれることでも有名な熱帯魚なんですね。
(↑カワコザラガイって、こんなやつ↑)
水槽面とか、低床の砂利やソイルの間とかに大量にいることがある奴ですね・・・。
まあ、さすがにバジス・バジスがすべて駆除するってことは無理ですが、水槽のガラス面とか水草の上とか、見える範囲のカワコザラガイは食べて綺麗にする効果は期待できるんだとか。。。
カワコザラガイの駆除目的で導入する方もいるそうなので、結構な除去能力があることが伺えます。
バジス・バジスの飼育データ
- 体長:6cm
- 水温:22℃~27℃
- 水質:弱酸性~中性
- 寿命:3年前後
- 参考価格:1匹あたり:300円前後
バジス・バジスは、体長が最大で6cmまでしか成長しない小型の熱帯魚です。
同種同士、特にオス同士は頻繁に小競り合いや喧嘩をするので、複数匹を導入する場合は水草をたくさん茂らせるなど隠れる場所を多く作ったレイアウトが理想となります。
他種に関してはそれほど関心を持たず、スルーしてくれるので、同サイズ程度で温和な種と混泳が楽しめます。
特に低層を泳ぐコリドラスなんかとは相性が良いみたいですね!
バジス・バジスは水質に敏感な面のある熱帯魚
バジス・バジスは、水質の変化に敏感な種と言われますが、弱酸性の軟水を保つよう心がければ飼育は簡単な熱帯魚です。
そこで、低床に「ソイル」を使用することをお勧めします。
このソイルには、水質を弱酸性の軟水にする性質があり、これを保つ効果もあるんですね。
ソイルは水草専用の低床とも言われるように、ほとんどの水草が好む弱酸性の軟水に傾ける性質がありますが、これはそのまま水質の敏感な熱帯魚の飼育にも役立つんですね。
なので、ソイルを使用することは、水草の育成、バジス・バジスの飼育とダブルでお得です!
バジス・バジスの餌について
バジス・バジスは、人工飼料をあまり好まず、冷凍アカムシやイトメなどの生餌・活餌を好んで食べる熱帯魚です。
慣れれば人工飼料にも餌付かせることが出来ますが、最初は人工飼料をあまり食べない個体もいるので、冷凍アカムシを用意しておいた方が良いですよ!
初めから人工飼料を食べてくれれば、それメインで大丈夫なのですが、あまり食べてくれない時は、生餌と人工飼料を併用して与え、徐々に人工飼料の量を増やし切り替えていくといった感じです。
バジス・バジスの繁殖について
バジス・バジスは、水槽内繁殖が比較的容易な熱帯魚です。
オスとメスの判別がかなり難しいですが、逆に繁殖期になればオスは発情して色鮮やかになるので、この時になると簡単に見分けが付きます。
繁殖期のオスは、美しい婚姻色が見られ、ヒレが青く染まるんですね。
そして、オス同士で各ヒレをバサッと広げ(フィン・スプレッティング行動)、1匹のメスをめぐって争ったり、縄張り争いをします。
最初は複数匹で育て、オスとメスの判別が出来る様になったら、別水槽にペアを移して飼育すると繁殖の成功率は格段に上がります。
後は、隠れる場所を作ってあげれば、気が付いたら産卵していたなんてこと普通にあるんですね。
僕が飼育していた時は、流木の陰で繁殖行動が見られ、そのまま産卵していました。
身を隠せるような水草、陰になるようなちょうどいい形の流木、オブジェクトなど、何かしら”隠れることが出来るモノ”を水槽内に用意してあげるといいでしょう。
ちなみに、卵は親が食べてしまうことがあるので、産卵を確認出来たら、親は元の水槽に戻すなど隔離した方がいいです。
卵は、3日前後で孵化します。
卵は水流がないと水カビが生えやすいので、産卵ケースなどの容器などに卵を移して軽くエアレーションしておくのも有効な手段です。
孵化した稚魚はとても小さいので、インフゾリアか粉末状の餌でないと食べられないくらいです。
※孵化したては、お腹に付いた栄養素(ヨークサック)を吸収して生きていけます。
ちょっぴり大きくなってブラインシュリンプが食べられる大きさになればコッチのモノです!
さいごに
カメレオンのように、周囲の色に合わせて、体の色彩を変化させる珍しい習性の持ち主、「バジス・バジス」。
この珍しい習性、自宅の水槽でじっくりと観察すると面白いですよ!
飼育だけじゃなく、繁殖も容易な種なので、飼育+繁殖の両方にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。