iPhone(アイフォン) 6sのパッケージ画像でも話題になった「ベタ」という熱帯魚。
大きく揺れるヒレに、美しいメタリックの輝きを持つ体色、多くのカラーバリエーションが存在するなど、非常に多くの魅力に溢れた魚で、狭い容器でも飼育できることでも有名です。
ここでは、飼育に必要な道具を実際にセットした後、ベタを導入するまでをご説明していきます。
ベタという魚について
みなさんはベタという熱帯魚をご存知でしょうか。
名前は知らなくても、実物を見れば「あ!コレ知っている!」という方もいるかもしれません。
飼育が非常に容易で、小さな容器でも飼えるような熱帯魚として人気があります。
熱帯魚ショップでも、プリンカップのような驚くような小さい容器に入れられて販売されていることもあります。
「こんな狭い場所に可哀そうだなぁ・・・」ってくらい小さい容器に入れられていることも度々目にします。
テーブルにちょこんと置いておけるような、瓶や丸いガラスの中で飼っている人も多いようですね。
ベタは狭い場所、かつエアーポンプなしで生きていけるのですが、なぜこんなことが可能かというとベタにはラビリンス器官といって、第二呼吸器官があるんですね。
この発達した呼吸器官のお陰で、口から空気を直接取り入れることが可能となり、エアーポンプが無くても生きていけるという訳です。
しかし、いかにベタと言えど生き物ですから、しっかりとした環境で飼ってあげるのが望ましいのは言うまでもありません。
そもそも、小さい容器で飼育するのには経験と知識が無ければ難しいのです。
というのも、狭い場所であれば水質が変化しやすく、水換えを頻繁にしなくてはいけませんね。
また狭い場所だとフィルターのようなろ過装置も設置できない場合も多いですし、ヒーターを設置して温度調節することもできないので、小さい容器で飼育するのがいかに難しいかが分かるかと思います。
できれば、少し大きめの水槽を用紙して補助器具もしっかりとセットした環境で飼ってあげたいところです。
僕は学生時代に1度ベタの飼育をしたことがあるのですが、その時は45cmの水槽で飼育していました。
ベタは、雄を2匹以上同じ水槽内に入れることができなく(闘魚と呼ばれオス同士で死ぬまで戦う)、基本単独飼育となるので20cmくらいの小さい水槽からでも十分飼育が楽しめます。
という訳で、癒しにも最高なベタをもう一度飼育してみることにしました。
ベタ飼育セット
ベタを単独飼育する場合、それほどの装備は必要ないです。
が、ちょっと装備にこだわって飼育をしてみようと思います。
水槽
水槽は25cmのものを用意しました。
実際に設置場所に置いてみると、これでも「もう少し小さくても良かったかな」と思うくらいで、20センチ前後あれば十分かもしれません。
ただ最低でも20センチは欲しいところです。
理由は、フィルターやヒーター、水草などをセットするにはどうしてもこのくらいの大きさが最低限必要になります。
また、他の魚との混泳も考えているなら少し広めの水槽を選んで間違いはないでしょう。
ちなみに25センチあれば混泳も十分楽しめるサイズですよ。
低床
ベタを飼育する際に使用する低砂は、基本的に何でも大丈夫です。
美しいベタに合わせて、綺麗なガラスの石なんかを敷き詰めたりするのも見ごたえがあっていいですね。
ちなみに僕が利用するのは「ソイル」という種類のものです。
ベタはペーハー(PH)値5.5~8の幅広い数値まで対応できるといいます。
ですが急激に変化してしまうのはNGです。
ソイルは水質を弱酸性に「保つ」効果があるので、水質管理もしやすくなります。
25センチ水槽だとソイルの量は1kg~2kgあれば十分です。
補助器具を付けていく
使用するフィルターは、外掛けフィルターを使用しました。
水槽に引っかけるだけで使用できるタイプで、水槽内の水をくみ上げて排水口から滝のように流れ出てきます。
水中に設置するタイプではないので、水槽内スペースが広々とするのが外掛けフィルターのいい所です。
ろ過材も専用のものがありますが、それ以外のものも使えるので、家に余っている良いろ過材がある場合はそれを外掛けフィルターにセットすることもできます。
照明器具
美しいベタの鑑賞を楽しむには、照明器具の設置も欠かせません。
小さい水槽くらいなら、大した装備の照明器具は必要ありません。
デスクに置くような器具を代用して使用するだけでも十分ですし、小さい水槽用の簡易ライトもあります。
水槽に挟んで設置するような便利なものもあるので、水槽内を明るく照らして綺麗なベタを鑑賞できる程度のものは揃えておきたいものです。
ヒーター
ベタに適した温度は25度~28度くらいが適温とされています。
夏の暑い日であれば特に問題ないかもしれませんが、25度を下回るようであればヒーターの設置が必要となります。
特に熱帯魚全般に言えることですが、冬場はヒーターの設置が必須となるので、暑い時期に飼い始める人でもヒーターは用意しておいた方が無難でしょう。
水草を設置するのも面白い
やっぱりアクアリウムを楽しむには、水草を植えた方が見栄えがいいですよね。
まあ、今回僕が使用したのは「人工水草」なんですが、かなり精工な作りのものが多くて、お気に入りのものを水槽内に入れておくだけでも印象がガラっと変わりますよ。
使用している人工水草は、水槽に引っかけて取り付けられるタイプ。
便利だし、水槽の外にもビヨーンと飛び出すように作られているので、外観も結構いい感じの見た目を演出してくれています。
ベタ投入まで
フィルターを動かして、ろ過が効いてくるまで置いておきます。
基本的に、新しく水槽を一から立ち上げた場合は、生体を投入するのは1週間ほど経ってからが望ましいです。
ろ過が効いて、水質が安定するには大体これくらいかかるんですね。
なので、熱帯魚を安全安心に飼うには、早い段階で水槽を立ち上げて置く必要があります。
僕は他にも水草レイアウトで水槽を立ち上げているのですが、少量その水槽の水を使用しましたが、いざセットしてみると少し濁っているので今の段階では魚を投入せずに、もう少しこのまま置いておきます。
そしてお待ちかねのベタ投入!
熱帯魚ショップで購入しても、通販で購入しても透明なビニール袋に入っているかと思います。
魚を水槽内に投入するときは、そのまま入れずに「水合わせ」という作業を必ずしましょう。
ベタの種類
ベタには種類があって、トラディショナルベタ、ショーベタ、プラカットベタ、ワイルドベタ(野生種)などがあります。
一番ポピュラーなのがトラディッショナルベタで、他の種類よりも丈夫なのが特徴です。
小さい容器で飼えるのも、基本的にトラディッショナルだけと思っていいです。
ショーベタは、コンテストに出すために改良を重ねられた種類で、魅力的な個体が非常に多いです。
ベタを飼うなら一度は飼ってみたいと思わせる個体の大半はこのショーベタといいます。
プラカットベタは、ベタ本来の「闘魚」としての本能を引き出した品種で、戦うのに特化するよう改良されています。
ベタといえば長いヒレが特徴ですが、プラカットベタはヒレが短いのが特徴です。
ワイルドベタとは、改良されていない野生のベタを指します。
プラカットのようにヒレは短く、改良されていない分、地味で落ち着いた体色をしています。
価格はかなり高価な場合がほとんどです。
今回僕が購入したベタは、ショーベタの中のハーフムーンという種類のものです。
尾びれをバサっと広げると180度に展開することからこの名前が付けられています。
新しい水槽に入れたばかりでも、手を近づけると寄ってくる可愛い姿が見れます。
ベタってかなり人懐っこい魚なんですね。
美しさを保つために
ベタは闘魚というように、オス同士を同じ水槽にいれると死に至るまで戦うことで有名な魚です。
同じくヒラヒラしたヒレを持つ魚に対しても、好戦的な姿勢を見せることが多々あります。
そして、好戦的になったときに見せる行動で「フレアリング」というものがあります。
フレアリングとは威嚇のようなもので、エラを広げ、全部のヒレを大きく広げて相手を威嚇します。
このフレアリングは、ベタの美しさを保つために必要だとされています。
せっかく美しく大きなヒレをもっていても、広げなければ次第に美しさは損なわれていくといわれます。
そこで、フレアリングさせてヒレを大きく広げさせることで、美しい姿を保つことができるという訳なのです。
フレアリングさせるときは、鏡を水槽越しにドンと当てるだけで大丈夫です。
ベタを別々の小型水槽で飼っている場合は、水槽面をくっ付けてやるか、仕切りを設置しておいてフレアリングさせるときだけ仕切りを取るといいでしょう。
フレアリング時間は1日長くても5分くらいがいいそうです。
ずっと鏡を設置したり、同種が見える状態にしておくと、飽きてフレアリングをしなくなる個体が出てくるそうです。
これは、フレアリングのし過ぎで体力が消耗しすぎるからという説もあるので、置き鏡を使用する場合は回収忘れには注意する必要があります。
狭い容器でも飼えるベタですが、どうせなら広々とした水槽内で飼って、その美しさを堪能しましょう。
特にフレアリングしている時、全部のヒレを大きく広げている姿はとても見ものですよ!
とても飼育しやすく、人懐っこい可愛い魚なので熱帯魚を始めたいという方は、小型の水槽でベタの飼育から始めてみるのもいいかもしれませんね。