渓流魚”オイカワ”のような小型熱帯魚「ミクロラスボラ・エリスロミクロン」の飼育方法と注意点

ミクロラスボラ・エリスロミクロン

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水槽内で飼育できる熱帯魚には、渓流魚のような独特で特徴的な模様を持つ美しい種がいるんですね。

日本の川にも生息している「渓流魚」、、、そんな姿をしている種を一つご紹介したいと思います。

その魚とは、「ミクロラスボラ・エリスロミクロン」、、、なんだか言いにくい名前ですが、かつてはマニアの中で非常に注目されていたのにも関わらず、長い間も輸入されてくることは無かったため、幻の魚とまで言われた存在です。

しかし、現在ではコンスタントに輸入されてきているため見る機会が多くなり、価格も比較的安価で落ち着いてきました。

ミクロラスボラ・エリスロミクロンは、体表にブルーに輝くバンド模様(縦線)が入るのですが、これは日本の川に生息する「オイカワ」という魚にそっくりなんですね。

そして、体長は3cmほどと小さい魚なので、美しい渓流魚のような熱帯魚を飼育したいという方にはピッタリな存在でもあります。

以下では、ミクロラスボラ・エリスロミクロンの飼育方法や注意点についてご紹介していきますね!

 

ミクロラスボラ・エリスロミクロンについて

ミクロラスボラ・エリスロミクロンは、ミャンマーにあるインレー湖に生息するコイの仲間で、現地では古くから知られた小型の熱帯魚です。

名前に「ミクロラスボラ」ってありますが、ミクロラスボラ属ではなく、現在はダニオ属に変更されています。

 

体表に入る不規則な青色のバンド模様が美しく、以前から日本でもかなりの注目を集めていた熱帯魚でしたが、しばらくの間、輸入されることなく「幻の魚」と呼ばれ、画像とか動画でしか見ることの無いような存在だったんですね。

でも、現在は多くのショップで取り扱うほど普及しているので、誰でも気軽に飼育が楽しめるようになっています。

 

そういえば、上でも書きましたがミクロラスボラ・エリスロミクロンって「オイカワ」に似ていると思った人も多くいるのではないでしょうか!?

ちなみにオイカワという魚はこんな感じ!

ミクロラスボラ・エリスロミクロンを状態良く飼育して、ブルーの発色がハッキリしてくると本当にオイカワそっくりで綺麗なんですね。

まさに、オイカワをそのまま小さくしたかのような感じで、とても美しいです!

 

ミクロラスボラ・エリスロミクロンの飼育データ

  • 体長:3cm
  • 水温:23℃~26℃
  • 水質:中性~弱アルカリ性
  • 寿命:3年~5年
  • 参考価格:1匹あたり400円前後

 

ミクロラスボラ・エリスロミクロンは、体長が最大で3cmほどまでしか成長しない超小型の熱帯魚です。

以前はミクロラスボラ属の魚でして、これに属する熱帯魚は弱酸性の水質を好むので、ミクロラスボラ・エリスロミクロンも弱酸性が適していると思われがちでしたが、実際には(生息地のミャンマー、インレー湖と同じ)中性~弱アルカリ性を好む熱帯魚です。

 

性格は温和なので、同種で群泳はもちろん、同サイズ程度であれば多種との混泳も可能です。

ただ、注意点として「食が細い」という点がありますので、水槽内に熱帯魚の数が多ければ多いほど、しっかりと餌が行きわたっているかを十分確認する必要があります。

 

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濾過のしっかりと効いた環境が必要!

濾過(ろか)、、、これはアクアリウムを行う上で絶対に必要となる知識ですよね!

特に、有害物質(アンモニアや亜硝酸)を分解して硝酸塩にする「生物濾過」が上手く機能していなければ、生体はたちまち体調を崩してしまう原因にもなってしまいますから。。。

 

ミクロラスボラ・エリスロミクロンは、水質に敏感な面を見せる熱帯魚でして、濾過がしっかりと効いている環境でなくてはいけません。

つまり、バクテリアが定着している水槽であるということですね!

立ち上げ当初はバクテリアは全くいない状態ですから、この生物濾過も全く機能しません。

いち早くバクテリアを定着、そして水槽が立ち上がったかを確認する方法としては「パイロットフィッシュ」の導入があります。

 

※パイロットフィッシュに関しての詳しい内容に関しては、以下のリンクをご覧ください!

水槽立ち上げ時の「パイロットフィッシュ」に適した熱帯魚|入れるタイミングと期間・何匹入れればいいか

 

ただ、通常の生物濾過というのは、アンモニア(超有害)を亜硝酸(有害)に変え、亜硝酸を硝酸塩(毒性が極めて弱い)に変える、、、つまり硝酸塩までしか変換できないんですね。

硝酸塩は換水によって濃度を薄めます。

つまりは、生物濾過と換水によって環境の維持が出来るという訳なんですね。

 

ただ、水質に敏感な種では、硝酸塩濃度が高いと上手く飼育が出来ないことも多くあります。

ミクロラスボラ・エリスロミクロンも、硝酸塩濃度が高いと体調を崩したり、本来の発色が引き出せなかったりするといいますので、小まめな換水をして硝酸塩濃度を低く保つよう心掛けるようにしたいですね。

 

水質を確かめるには、専用の検査キットを使用するのがオススメです。

調べたい項目によって、様々な商品があるので用途に合ったものを選ぶようにするといいですね。

ちなみに、生物濾過は、アンモニア→亜硝酸→硝酸塩と変わるので、最終形態である硝酸塩が検出されれば生物濾過は機能しているという指標になります。

が、濾過能力が弱かったりして濾過が追い付かない場合は、たとえ硝酸塩が検出されても、アンモニアや亜硝酸濃度が高いことがありますので、念のためアンモニアや亜硝酸濃度も調べてみることをお勧めします。

※特に飼育している魚の数が多い時や、濾過能力の弱いフィルターを使用している場合

 

水質は弱アルカリ性が理想

ミクロラスボラ・エリスロミクロンが好む水質は、中性~弱アルカリ性となります。

水草レイアウトでミクロラスボラ・エリスロミクロンを泳がせたいという場合ですが、ほとんどの水草は弱酸性の水質を好むので、水質は中性を維持するか、弱アルカリ性でも問題なく育成が出来る水草のみを入れることになるでしょう。

 

とはいえ、ミクロラスボラ・エリスロミクロンの美しいブルーの発色を引き出すには、弱アルカリ性の水質でじっくりと飼い込むことが重要だとされているので、弱アルカリ性でも問題なく育成できる「アヌビアス・ナナ」や「ウィローモス」といった人気の水草を使用するのがオススメです。

 

また、弱アルカリ性の水質を維持するには、水質を弱アルカリ性に傾ける性質のあるものを入れるのが手っ取り早く、管理がしやすいです。

 

例えば、低砂の「ソイル」ですが、これは「水草専用の砂」とも呼ばれ、ほとんどのものが水質を弱酸性に傾ける性質を持ちます。

しかし、一部ソイルには、水質を弱アルカリ性に傾ける性質を持つものもあるんですね!

弱アルカリ性に傾けるソイルを使用すれば、それだけでミクロラスボラ・エリスロミクロンの飼育に適した水質が簡単に作り出すことが出来ます。

また、ソイルはバクテリアの棲家となりフィルターとしての機能もあるため、水質をクリーンに保つ効果も得られます。

 

ただ、ソイルは砂を固めたようなものなので、崩れて小さくなったりします。

弱アルカリ性にする作用も、ずっと続くわけでは無く、1年前後を目途に交換する必要も出てきます。

※硬い砂利のように半永久的に使えるものではありません。

 

ソイルの掃除は、プロホースがあると、砂の間に入り込んだゴミや汚れを吸い出すことが出来るので持っておくと便利ですよ!

ソイルや砂利に入り込んだ糞やゴミだけをピンポイントで取り除く便利な掃除アイテムを使ってみよう!

 

また、pH値(中性とか弱アルカリ性とか)を計測するには、pHメーターが超便利です。

メーター式だと、正確な数値を瞬時に表示してくれるので、理科の実験でやったような紙を濡らして変化する色で判断するといったことは無いです(笑

 

餌やりの注意点

ミクロラスボラ・エリスロミクロンは、超小型熱帯魚が故に、食が細く、しかも臆病で他の熱帯魚がいると十分に餌を食べることが出来ずに痩せ細ってしまうことがあります。

まず、臆病である熱帯魚を上手く飼育するには、同種(ミクロラスボラ・エリスロミクロン)を複数で飼育するのが理想なんですね。

導入してすぐは警戒して物陰に隠れていても、1匹が餌を食べ始めれば、他の個体も釣られるように餌を食べたりなど、複数で飼育するメリットは大きいです。

 

食が細いことに関しては、餌を与えるときには、全ての個体がしっかりと食べられているか目視で確認するのがいいでしょう。

特に、魚の数が多ければ多いほど餌が行きわたらない個体が出てくる可能性がありますので、複数匹で飼育すると餌やり時の確認はより注意深くした方がいいです。

 

餌は、小型熱帯魚用の人工飼料などで大丈夫です。

フレークタイプとかは、指ですり潰して口に入りやすい大きさにしてから与えると食べやすくなって良いですね!

また、小さい熱帯魚の餌といえば、ブラインシュリンプは非常にオススメなので、定期的に沸かして与えるのもいいですよ。

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