優雅で美しい色彩を持つ熱帯魚のベタは、小さなコップなどで飼育が出来ることで有名です。
「熱帯魚を飼育したくても世話が大変だから・・・」と諦めていた人なんかでも気軽に飼うことが出来る魚でもあるんですね。
そんな美しいベタですが、一言で「ベタ」と言いましてもいくつか種類が存在します。
ここでは、ベタの種類についてご説明していきます。
ベタってどんな魚?
ベタの正式名称は「ベタ・スプレンデンス」と言います。
先頭の「ベタ」だけの方が断然言いやすいので略して呼ばれているんですね。
ベタはアナバス科に属する魚で、原種はタイのメコン川流域に生息しています。
とても縄張り意識が強い魚で、オス同士を同じ水槽に入れてしまうと、どちらかが戦闘不能(死んでしまう)になるまで戦う為、「闘魚」とも呼ばれています。
メスはオス程、縄張り意識が弱いためメス同士の混泳は可能です。
ですが、中にはメスがオスを追いかけまわすほどの、とんでもない個体がいたりします(汗
発達した呼吸器官
ベタは、発達した呼吸器官のラビリンス器官(迷宮器官)と呼ばれるものがあり、口から空気を取り込むことが出来ます。
通常、熱帯魚を飼うときはエアレーションして酸素を取り込むのですが、ベタはそれが無くても生きていけるんですね。
これが、小さいコップなどで飼える最大の理由となっています。
当然、エラ呼吸もしますが、ラビリンス器官で呼吸する割合の方が多いので、むしろ無理にエアレーションする必要もないでしょう。
ベタの種類
以下では、ベタの種類をご紹介していきます。
種類ごとに異なる魅力があるので、お気に入りのタイプを見つけてくださいね!
トラディショナル・ベタ
ベタの定番中の定番といえば、このトラディショナル・ベタでしょう。
尻尾がスペード型になっているのが特徴です。
一言でベタというと、このタイプを指すといっても過言ではないほどメジャーな存在となんですね。
まず、トラディショナルが流通量が非常に多い種類です。
「並ベタ」や「トラベタ」とも呼ばれ、ベタの中では最も丈夫なことでも知られています。
ベタは小さい容器で飼えるといいますが、基本的に小さい容器で飼う場合は体の丈夫なトラディショナル・ベタを選ぶのが理想といえます。
特に初心者の人でも簡単に飼うことが出来るベタが、このトラディショナルなんですね。
(画像:トラディショナル・ベタのメス)
ちなみに、メスはオスと違って地味な感じなのが特徴です。
ヒレも短く、これはこれで可愛らしいですね。
ショーベタ
(画像:ショーベタ・ハーフムーン)
ショーベタの中には息をのむほど美しい種類が多々存在します。
というのも、ショーベタとは「ベタのコンテストの為に改良に改良を重ねた種類」なんですね。
ベタのショーは世界的にも有名で、その賞を取るために美しいベタの改良がおこなわれています。
それがショーベタという訳です。
画像のハーフムーンというタイプは、全てのヒレを広げた時にヒレが180度ほど展開する美しいショーベタです。
さらにヒレの展開が大きい、満月のように見えるフルムーンというタイプも存在します。
これらは、ショーベタの中でも特に人気の高い種類となっています。
(画像:ショーベタ・クラウンテール)
ヒレの軟条(なんじょう)と呼ばれる部分が突出して、その形状がまるで王冠のように見えることから「クラウンテール」と呼ばれています。
改良を重ねたとはいえ、まさかこんな姿のベタがいるとは想像もつかないですよね。。。
(画像:ショーベタ:ダブルテール)
尾びれが2個に分かれているタイプのショーベタです。
ちなみにメスにもダブルテールのタイプが存在します。
体の周りほぼすべてをヒレで囲むような姿は、美しいの一言ですね。
その他、まだまだ色んなタイプのショーベタが存在します。
プラカット
プラカット(プラガット)は、野生のベタに最も近い姿をしているタイプです。
一般的なベタと違ってヒレが短いのが特徴です。
ベタの中でも最も気性が荒く、闘いの為に改良された品種なんですね。
ヒレの大きなベタは、水流に弱く泳ぎが下手なのですが、ブラカットはヒレが短い為、ヒレの大きなベタと比べて俊敏さが圧倒的に上です。
まさに闘魚本来の姿をそのまま残したタイプと言っていいでしょう。
しかし、ヒレが短くても魅力的な改良品種が多く出回っています。
知れば知るほど魅力のあるベタなんです。
(画像:ハーフムーン・プラカットベタ・鯉カラー)
錦鯉を連想させるような美しいブラカットです。
(画像:レッドドラゴン・プラカットベタ)
まるで金属質のような光沢のある白色を「ドラゴン」と呼びます。
その光沢のある白に、赤色が入った魅力的なプラカットです。
とにかくカッコいい姿が魅力的です!
ワイルドベタ
(画像:ワイルドタイプ・ペルセフォン・ベタのオス)
ワイルドとは、一切の改良をされていない現地採取の個体のことを指します。
色彩は改良品種と比べると断然、控えめでヒレも短いのが特徴です。
個体数が非常に少ないことから、ワイルドタイプの価格はかなり高価となっています。
基本的にベタの繁殖は、水面に泡巣を作って産卵しますが、ワイルドタイプの中には口の中で卵を守る「マウスブルーダー」が存在します。
ワイルドタイプのベタで、繁殖を楽しむのも面白そうですね。
最後に
ベタには非常に魅力的な種類が多い熱帯魚ですよね。
上記で紹介したのは、ほんの一部で、まだまだ沢山の種類のベタが存在します。
さらに、ベタは種類も豊富ですが、カラーも豊富なんですね。
例えば、上記で「金属質のような光沢のある白」をドラゴンってご紹介しましたが、「1色だけのもの」をソリッド、「2色」をバイカラー、「マーブル模様」をマルチカラー、「黒ずみがあるもの」をウッシュなど・・・切りが無いほど存在するんですね。
これほど色彩に富んだ熱帯魚もそういないでしょう。
なので、ベタを購入するときは種類・カラー、自分が見て「これがイイ!」と思う最高の1匹を見つけ出してみてくださいね!