水槽の掃除屋といえば、主に低層を泳ぐ熱帯魚で、砂利やソイルに落ちた食べ残しを綺麗に掃除してくれるような魚を指します。
掃除屋(スカベンジャー)といえば、コリドラスが有名で、飼育している人も多い熱帯魚です。
ですが、コリドラス以外でも低層の餌を積極的に食べる熱帯魚は多く、掃除屋としても絶大な効果をもたらしてくれる種類はいます。
「色が鮮やか」、「低層を賑やかにしたい」というような方に是非お勧めしたいのが「クラウンローチ」です。
コリドラス同様に掃除屋としての導入も良いですし、鮮やかな見た目、そして非常に面白く興味深い習性を持ちます。
ここでは、クラウンローチの魅力や飼育方法、導入時の注意点についてご説明していきます。
目次
クラウンローチについて
クラウンローチは、インドネシアのボルネオ島、スマトラ島などに生息するドジョウの仲間です。
ドジョウのチャームポイントである「ヒゲ」が見ていて可愛らしいです。
特徴は、何といってもその色彩にあり、黄色と黒の縞々(しましま)模様がとても目を引きます。
クラウン(clown)とは、ピエロのことで、ピエロが着る衣装にそっくりなことから、この名前が付けられています。
水槽内に導入すると、この明るい体色が引き立つため、それだけで美しさを演出してくれます。
クラウンローチの飼育データ
- 体長:飼育下では10cm~15cmほど
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20℃~30℃(25℃~28℃が最適)
- 寿命:長寿で最低でも10年は生きるといいます(30年生きたという記録もあります)
クラウンローチは、体長が10cmを超える中型の熱帯魚となります。
家庭内での飼育であれば体長は最大でも10cmほどまでしか大きくなりませんが、水族館だとビックリするくらい大きなクラウンローチが泳いでいることがあります。(30cm以上・・・)
恐らく、90cm、180cmと広々としたスペースのある水槽で飼育すると、家庭内での飼育でも巨大化させることは可能かもしれません。
また、寿命がとにかく長い熱帯魚で有名なんですね。
10年は軽く生き、中には30年以上も生きる個体もいるそうです・・・。
クラウンローチだけをメインに、じっくりと大切に育てるのも面白そうですね。
クラウンローチは気性が少々荒い性質(混泳注意!)
クラウンローチは一見、おっとりしていて大人しそうな感じがしますが、成長するにつれて縄張り意識が強くなってやや気性が荒い一面を見せます。
ただし、小さいうちはとても温和で中層~上層を泳ぐ小型の熱帯魚と混泳している水槽も度々目にします。
気性が温和でも、飼育しているうちに他の魚を追いかけたり、体当たりするような素振りが見られるようになったら、どちらにせよ隔離する必要があるといえます。
大きくなったクラウンローチでは、同サイズで同じく気性がやや荒いエンゼルフィッシュとの混泳は問題なく出来ます。
とはいっても、大きく成長したクラウンローチと、小型のコリドラスを混泳させて、仲良く泳いでいる光景も多々見られることから、気性の荒さには個体差があるのだと思われます。
まるでオッサン!?横たわって寝ることがある
クラウンローチには面白い習性があって、僕ら人間のように「死んだふり」をしたり、「横たわって寝る」という習性があります。
購入してきたばかりで、袋詰めされている状態で驚かせてしまうと横たわってピクリとも動かないことがあるので「死んでしまった・・・」と誤解させることが多い熱帯魚で有名です。
少し経ったら元気に泳ぎだすようになるので、そっとしてあげておくといいでしょう(笑
また、水槽で飼育していると低層に体を横にして寝るという習性もあります。
初めて見る方は、これまた「死んでしまった・・・」と誤解することでしょう。
ですが、よく見るとエラが動いていたりするので、弱っているわけでもなく、ただ寝ているだけということがほとんどなんですね。
クラウンローチは、以外に憶病な性格で1匹だけの飼育だと、慣れるまで物陰に隠れてほとんど出てこないことがあります。
導入時に複数匹入れてあげると、安心して行動するようになりますので、この魚の面白い習性が見る機会も多くなるはずです。
クラウンローチは生餌を好む魚
クラウンローチは、肉食性が強く餌は「生餌」を好んで食べます。
肉食性が強い魚なので、極小サイズの魚や小さいエビはエサの対象となってしまうので混泳はNGです。
手軽に与えられる人工飼料に餌付かせることも大事ですが、たまには冷凍の赤虫なども与えた方がいいでしょう。
以外にも飛び出し注意な魚
クラウンローチは、低層で生活する熱帯魚ですが、以外にも飛び出し事故が多いことで知られています。
クラウンローチは、好奇心旺盛で水槽全域を勢いよく泳ぎ回ったり、急上昇して水面に来たりなど、本当に遊ぶのが好きな魚で見ていて楽しくなります。
ただ、勢い余って水槽の外へ飛び出してしまうことも多いので、水位を上げ過ぎず、隙間のないフィットしたフタを取り付けて、事故を防止するよう対策が必要となってきます。
低床の汚れに注意
クラウンローチは、主に低層部分を中心に生活し、コリドラスのように砂利に口を突っ込むようにして餌を探す習性があります。
なので、クラウンローチの飼育する低床は常に綺麗になるよう手入れが必要です。
低床が著しく汚れていると、白点病に掛かりやすく、コリドラスでは口やヒゲが溶けるという特有の病気があってクラウンローチも例外ではないかもしれません。
低床は、ゴミが入りにくい細かなタイプがお勧めで、プロホースがあれば簡単に掃除が出来ます。
1本持っておくと重宝しますよ!
クラウンローチの繁殖
クラウンローチの繁殖は、水槽内ではまず不可能ではないかというほど難しいといわれます。
海外では、たまたま卵を発見して隔離出来たため稚魚の獲得に成功したという事例があるそうですが、定かではありません。
一応、性別の判別することは出来なくもなく、尾びれの切れ込み、つまりVの字が強く出ているのがオス、切れ込みが浅いのがメスといわれていますが、実際に見ると僕には全く判別できません(汗
そもそも、小さいサイズだと十分に成熟しない可能性があり、繁殖をしないのかもしれませんね。
かといって、30cmまで成長させるのは難しいものがありますから。。。
繁殖形態には非常に興味がありますが、長生きする魚なので、あえて増やす必要もなさそうですけどね。。。
さいごに
とても鮮やかで面白い習性をもつ中型熱帯魚のクラウンローチ。
そういえばクラウンって「crown」=王冠って意味だとずっと思ってましたが、「clown」=ピエロって意味だったんですね。。。
活発に遊びまわったり、横たわって寝たり。。。と、他の熱帯魚では見られない面白い習性は見ものです。
そういえば、これに似た色彩のドジョウで、「クーリーローチ」ってのがいます。
こういったカラフルな熱帯魚を取り入れて、水槽内を鮮やかに演出するのもいいかもしれませんね!