アクアリウムで水槽の掃除屋(スカベンジャー)として導入されるのは、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビのエビ類や、オトシン系、プレコ、コリドラスといった種類が代表的です。
他にもコケや食べ残しを掃除してくれる魚はいるけれど、ちょっとここではユニークな種類の掃除屋(スカベンジャー)をご紹介したいと思います。
その名も「クーリー・ローチ」という魚、皆さんはご存知でしょうか。
何ともカラフルなドジョウで、顔や動きがとても可愛らしい魚なんですね。
それでは、クーリー・ローチの魅力や飼育方法などを以下でご説明していきます。
目次
クーリー・ローチについて
クーリー・ローチは、コイ目ドジョウ科パンギオ属の熱帯魚で、東南アジアに広く分布するドジョウの仲間です。
明るい黄色~オレンジと、茶色~紫っぽく見える2色の縞々(しましま)模様が特徴ですね。
「ドジョウ」と、ひとこと聞くだけだと、地味な姿を想像する方が多いはずですが、クーリー・ローチは色鮮やかなので観賞魚として導入するのもいいですよね。
ちなみに僕は、学生時代にクーリー・ローチを飼育していたことがあったのですが、母親が見て発狂していたのを覚えています(汗
見る人によってはドクドクしい、ヘビのような生き物に見えるんだとか・・・。
まあ、よく見ると可愛らしい顔していると言ってましたがね(笑
クーリー・ローチは、コリドラスと同じく低層で生活する魚で、落ちた食べ残しを食べてくれることから掃除屋(スカベンチャー)としても人気があります。
このチャームポイントともいえる、オレンジと茶色の模様ですが、個体によってかなりの差があるのが特徴です。
綺麗なシマシマ模様だったり、スポット模様になっていたりと、個体ごとに模様が違って見えるのもクーリーローチの魅力の一つだといえます。
クーリー・ローチの飼育データ
- 体長:10cmほど
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20℃~28℃
- 寿命:5年~10年
クーリー・ローチは体長10cmほどになりますが、とても温和な魚で他の魚を追いかけまわすということは、まず無いので混泳魚としても最適です。
寿命が最低でも5年ほどは生き、飼育環境が良ければ10年以上生きることもあるので、大きさの割にはかなり長寿な魚といえます。
クーリー・ローチは恐ろしいほどに憶病で寂しがり屋さん
クーリー・ローチは温和で大人しく混泳に向いている魚です。
しかし、大人しいと通り越して、かなり憶病な魚であるといえます。
特に導入直後は、物陰に隠れて全く出てこなかったり、やっと出てきたと思って近くに寄ると飛んで逃げていくことも多々あります。
また、ちょっとした物音を立てただけで、まるでこの世の終わりかのような勢いで素っ飛んで逃げて行ったりします。
なので、クーリー・ローチを導入する際は、土管などの隠れ家となるような置物を置いてやるといいでしょう。
そして、水槽の環境に慣れるまで遠目で見守っているのが良いかもしれません。。。
慣れてくると、流れに逆らって勢いよく泳いだりする姿が見られるようになってきますよ。
また、クーリー・ローチは寂しがり屋さんであることから、複数匹で飼ってあげた方が良いとされています。
実際に、1匹だけでの飼育だと寿命がかなり短くなるというデータもあるようです。。。
砂に潜る習性のあるクーリー・ローチに適した砂は?
クーリー・ローチは、砂に潜る習性があります。
砂を巻き上げながら潜る姿、砂から顔だけを出して餌を食べたり、時が止まったかのようにジッとしている姿は面白いです。
そして、小さなヒゲがついた顔は愛嬌があって可愛らしいです。
そんな、砂に依存して生活するクーリー・ローチを飼育するときの注意点があります。
それは、「砂利の掃除」と「水草レイアウトでの飼育です」。
まず、砂に潜って生活するので、砂や砂利は常に綺麗になっているよう心掛ける必要があります。
砂が汚れていると、病気にかかるリスクが高くなるので注意が必要なんですね。
クーリー・ローチ飼育の適した砂は、細かくて軽いタイプやソイルが適しているといえます。
細かいタイプの砂だとコリドラス用の砂がオススメです。
ソイルの詳しい記事は下記リンクをご覧ください。
こういったタイプの砂を使用することで、クーリー・ローチは砂に潜りやすく生活しやすい環境にしてあげるのと同時に、この魚の習性をよく観察できるようになるので飼うのが楽しくなります。
また、これらの砂はプロホースを使用することで掃除しやすいというメリットもあります。
そして、水草レイアウトでの飼育ですが、クーリー・ローチは砂に潜るため根の張っていない、または根の張りが浅い水草が潜る時に抜かれて、水面に浮いてしまうことが良くあります。
砂利やソイルに、水草を沢山植え込んでいる水槽で飼う場合は注意が必要です。
ソイルは寿命が短くなることを覚悟で使用する
クーリー・ローチの飼育において、ソイルの使用はオススメしていない人も多いと聞きます。
理由としましては、、、ソイルって非常に柔らかい土の塊みたいなものなんですね。
クーリー・ローチは、ソイルを粉々にして粉末状にしてしまうことがあります。
当然、ソイルの寿命は短くなりますよね。
実際に使用した人の話を聞いてみると、半年で使い物にならなくなって交換したという人がいました。
ソイルは交換が結構メンドウなので、それなら最初から他の砂を使用した方が良いというのがオススメしない理由なんですね。
まあ、ソイルを使用するのは水草水槽くらいでしょうかね。。。
ですが、ソイル自体はクーリー・ローチの飼育にとても適した砂であることは間違いありません。
勢いよく泳ぐので飛び出し注意!
クーリー・ローチは憶病な熱帯魚なので、導入して間もないことは砂の中や土管などの障害物に隠れて姿を見せないことの方が多いかもしれません。
ですが、次第に水槽環境に馴れてくると、姿を見せることが多くなってきて、時には元気に泳ぎ回ることも多々あります。
流れに逆らって勢いよく泳ぐことも度々目にします。
また、クーリー・ローチでよく見られる行動が、「水面に向かって呼吸しに行く」ことです。
しかも、なんの前触れもなく、いきなり水面に向かって、ものすごいスピードで突っ走ります。
この時、勢いあまって水槽の外に飛び出してしまう恐れがあります。
なので、クーリー・ローチを飼育している水槽では、水槽のフタの設置を必ず数量にしましょう。
クーリー・ローチに餌が行きわたるようにしよう
餌は、熱帯魚の餌というものなら何でも食べてくるくら雑食性が強いです。
クーリー・ローチに与える餌としては、コリドラスやプレコ専用の沈下性の餌で十分です。
混泳水槽では、既に持っているフレークタイプの餌をピペットで吸い込んで、直で低層にバラ撒くという方法もあります。
最後に
クーリー・ローチは、鮮やかな色彩に加えて、可愛らしい顔、そして行動そのものが見ていて面白い熱帯魚です。
最初は物陰に隠れて姿を見せないかもしれませんが、慣れてくると進んで餌を探し始めるので掃除屋(スカベンジャー)としての力を発揮するようになってきます。
飼育する際に気を付けることといえば、とにかく砂を綺麗に保つことですね。
水温は25℃前後で飼育すれば、病気のリスクも抑えることができます。
性格も温和なので、混泳魚としてクーリー・ローチを導入すれば、低層を鮮やかなに彩ってくれますよ!