アクアリウムの底棲魚で人気のあるコリドラス。
ちょこんと付いている小さくて可愛らしいヒゲが特徴で、砂の中に入り込んだ食べ残しを除去してくれることから、水槽のスカベンジャー(掃除屋)としても絶大な人気を誇っています。
掃除屋として導入するコリドラスは基本的に小型種(最大5cm~7cm程度でしょうか)がほとんどですが、それよりもさらに小さいコリドラスピグミーという種類が存在します。
最大体長が約3cmほどで、性格もおとなしいため混泳魚としてもお勧めのコリドラスです。
ここでは、コリドラスピグミーの特徴や飼い方についてご説明していきます。
コリドラスピグミーについて
コリドラスピグミーは、どんなに大きくなっても最大で3㎝ほどまでにしかならない、超小型のコリドラスなんですね。
銀系のボディに、横に走る黒いラインが特徴です。
極小の小さなヒゲも愛嬌があって可愛らしいですね。
小さいコリドラスであるため「ピグミー」と呼ばれていることが多いですが、学名である「ピグマエウス」の名前でも流通しているのを度々目にします。
アクアリストの間では、通称「チビコリ」とも呼ばれています。
コリドラスは、ナマズ目カリクティス科コリドラス属の魚、つまりナマズの仲間なんですね。
であれば、ナマズ特有のヒゲが付いていることも頷けますよね。
コリドラスピグミーの飼育データ
- 体長:最大3cm程度
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~26℃
- 平均寿命:約2年~3年
- 性格:温和
最大で3cm程度といえば、熱帯魚で人気のあるネオンテトラと同じくらいの大きさです。
コリドラスピグミーは、最大で3cmくらいと小さいですが、中には4cmほどになる個体も見られます。
ですが、多くは2cm~2.5cmほどと小さいな個体の方が多いように思います。
コリドラスピグミーは、ブラジルのアマゾン川、ペルーのナナイ川など、主に南米に広く生息する熱帯魚です。
沼地などの流れがほとんど無い場所で、水が綺麗な場所に多く生息しているといいます。
また、弱酸性の水を好むため、アマゾン川などと同じ水質を再現したブラックウォーターを作り出すと簡単に飼育することができます。
性格が非常に温和で、憶病なくらいなので他の熱帯魚との混泳に非常に向いています。
ですが、コリドラスピグミーは体長約3cmほどしかないので、混泳に選ぶ魚は同じくらいの大きさが理想です。
コリドラスは低層を生活圏とする生き物ですので、他の混泳させる魚は中層~上層を泳ぐ小型の熱帯魚で、性格が温和な種類を選ぶといいでしょう。
非常に良く動き回る
コリドラスといえば、底でジッとしていて「いつ動き出すんだろう・・・」ってくらい動かない時もあります。
土管を入れてあげると、中に入ったまま餌を食べるとき以外は姿を見せないことだって良くあるんですよね。。。
しかし、コリドラスピグミーは例外で、水槽内を活発的に動き回るんですね。
これは他のコリドラスでは、ほとんど見られない特徴といえます。
まあ、これだけ小さい個体が動かないと、普段どこにいるのか分からなくなっちゃいそうですからね。。。
複数で生活する生態
コリドラスピグミーは、複数で群れを作って行動し、生活する熱帯魚です。
なので、飼育するときは複数匹(最低でも5匹~)から飼ってあげるのが理想といえます。
複数匹を水槽に入れると、同種で群れを作って行動するのが見ることができます。
さらに言えば、水槽の大きさにもよりますけど、10匹とか20匹といった複数匹で飼うと可愛らしいコリドラスピグミーの生態を楽しむことができるでしょう。
繁殖は容易!?
コリドラスピグミーの繁殖は比較的容易に行えます。
この種の中では寿命が短いですが、繁殖により種を繋ぐことが可能です。
オスとメスを見分けるのは難しいので、ある程度の数のコリドラスピグミーがいると繁殖も成功しやすいです。
メスが卵を体内に抱くと、雄に比べ全体的にふっくらしてくるので、見た目で何となくは判断が付きます。
また、オスよりもメスの方が体長がやや大きくなる傾向にあります。
コリドラスピグミーの繁殖を狙うポイントは、低水温と低pHの維持です。
水温は22℃の低水温が好ましく、pHは6.5くらいにして、これを維持します。
性成熟して産卵期に入ると、オスがメスを追いかけまわす行動が見られるようになります。
ペアが成立すると、メスの口にオスの腹部を当てる「Tポジション」が見られれば、いよいよ産卵間近です。
このTポジションとは、メスが口からオスの精子を取り込んで、体内の卵に受精させるための行動なんですね。
卵は、水槽のガラス面や水草などに産み付けられます。
そのまま放置しておくと他の熱帯魚に食べられる恐れがあるので、見つけたら直ちに卵を別の場所に隔離します。
隔離するといっても、産卵した水質と同じ水質が望ましいため、水槽内に産卵ケースやサテライトを設置して、その中に卵を入れておくといった感じですね。
卵を入れた産卵ケースは、軽くエアレーションをして溶存酸素の量を増やすのが理想とされます。
基本的に3日~5日程度で卵は孵化します。
ですが、中には孵化しない無精卵も混ざっている場合があります。
5日以上たってカビが生えてくるような卵は無精卵と判断していいので、取り除くようにしましょう。
孵化して2日~3日は、お腹に付いている栄養(ヨークサック)を吸収して成長します。
その後は、ブラインシュリンプや粉末状の餌の人工飼料に馴れさせるのが理想です。
最後に
コリドラスピグミーは、非常に小さい熱帯魚ですがある程度多めに導入することによって、群れを作っての行動、水槽内を活発に動き回る行動、繁殖などこの魚の生態が楽しめるといえます。
非常に小さくて可愛らしい熱帯魚なので、同じくらいの大きさの熱帯魚を飼っている水槽の掃除屋(スカベンジャー)として導入するのもいいですし、コリドラスピグミーだけを飼育して生態を楽しむのもいいですね。