「掃除屋」として名高いコリドラスですが、コリドラスにはとても多くの種類が存在します。
その中でも、特に人気の高い種類といえば「コリドラス・ステルバイ」が真っ先に思い浮かびます。
この種の中では、最も丈夫で飼いやすく、繁殖も容易に出来るので、古くから今でも人気があるというのは当然でしょう。
色彩は一見、地味のようにも見えますが、体表に黒の細かな斑点、胸ヒレが黄色に染まるとても綺麗な熱帯魚なんですね。
ここでは、コリドラス・ステルバイの飼育方法についてご説明していきます。
目次
コリドラス・ステルバイの飼育法について
コリドラス・ステルバイは、ブラジルのグァポレ川に生息している「ナマズの仲間」で、この種類の中では最も丈夫で飼いやすいといわれます。
というのも、水質悪化にも強く幅広い環境に対応する能力があるんですね。
ナマズ特有のヒゲがしっかりと付いていますが、短く可愛らしいです。
ステルバイは口が非常に小さいタイプで、「ショートノーズ」タイプのコリドラスに分類されます。
性格が非常におとなしく、温和な性格が特徴なので混泳に最適な熱帯魚でもあります。
コリドラス・ステルバイには養殖された「ブリードタイプ」、そして生息地であるブラジルのグァポレ産の「ワイルドタイプ」の2種類が出回っています。
ブリードタイプの価格は1匹あたり500円前後に対し、ワイルドタイプは1匹あたり3,000円以上と高価です。
掃除屋として名高いコリドラス
コリドラスといえば、掃除屋として最もポピュラーな存在でもあります。
可愛らしい短いヒゲが特徴で、砂利やソイルに入り込んだ食べ残しを綺麗に取り除いてくれるんですね。
掃除屋といえば、コケ掃除のヤマトヌマエビやオトシン系、プレコなどがいますが、コリドラスは砂利に落ちた食べ残しを綺麗にする専門の熱帯魚という訳です。
コリドラス・ステルバイの飼育データ
- 体長:最大約6cm
- 適応水質:弱酸性~中性
- 適応水温:20℃~27℃(24~25℃が最適)
- 寿命:平均5年前後といわれてることが多い(7~8年は普通に生きます)
コリドラス・ステルバイは最大で体長が6cmと小型のコリドラスです。
性格が温和で気軽に混泳を楽しむことが出来るので、小さい熱帯魚との相性がいいですね。
コリドラスは掃除屋として導入されることが多いですが、ステルバイに関しては、コレ1種だけをメインに飼う人も非常に多いほど人気のあるコリドラスなんですね。
とにかく丈夫な熱帯魚なので、初めてコリドラスを導入しようとお考えの方には是非お勧めです。
細かい砂利を好む
コリドラスは砂利に落ちた餌を積極的に食べます。
なので、掃除屋として導入されることが多いコリドラスですが、砂利が汚れすぎているとヒゲが溶けてしまうという特有の病気が見られます。
病気を発症させない為にも、砂利は常に綺麗に保つ必要があるといえます。
隙間のできやすい砂利は、食べ物が落ちるとなかなか取り出せずに水質の悪化の原因に繋がりやすいです。
砂利を掃除するときは、プロホースを用いると楽に掃除することが出来るのでお勧めです。
コリドラス専門に飼うのであれば、細かな砂がオススメです。
細かな砂であれば、隙間が出来ないので餌が下方に入り込んでしまうということはありません。
また、砂を薄く敷くことで掃除が楽にできるので、常に綺麗に保つことが出来るようになります。
コリドラス・ステルバイの繁殖について
ステルバイは、ブリードタイプ(養殖個体)とワイルドタイプ(現地採取個体)で、成熟するまでの期間が圧倒的に異なります。
どれくらい違うかというと、ブリードタイプは僅か1年で成熟するのに対し、ワイルドタイプでは5年近くかかりることがあります。
つまり、繁殖を狙うならブリードタイプの方が非常に楽ということになりますね。
性成熟するとメスはお腹がふっくらとしてきます。
そして、腹ビレがオスに比べて丸っぽい(扇のような感じ)です。
オスはメスに比べスマートで、腹びれがシュッと尖っているような感じなので、雄雌の判別は容易に出来ます。
繁殖を狙う場合、水槽内にオス2匹に対してメスが3匹を目安にすると、より簡単に成功させることが出来るといいます。
とはいっても、ステルバイの繁殖は非常に容易なのでペアが良すぎると逆に増えすぎ注意ってくらい増えます。
産卵間近に水質(pHの変動)・水温の変化をキッカケに産卵を誘発することができます。
卵は、水草や水槽面などに産み付けられます。
その卵は簡単に回収することが出来るので、別水槽に移すか、産卵ケースorサテライトを設置して安全な場所に隔離するのが望ましいです。
群れて生活する熱帯魚
コリドラス・ステルバイは群れて生活する生き物なんですね。
なので、1匹で飼育すると物陰に隠れて出てくることが少なくなることもあるんです。
導入するときは、複数入れてあげた方がいいでしょう。
また、温和な性格であり憶病でもあります。
なので、体を隠すような場所を作って落ち着く場所の確保が必要となります。
筒状・土管のようなものを寝かせておくと、喜んで中に入ってくれます。
ただし、気に入りすぎて餌を食べるとき以外、ほとんど出てこなくなることもあるので考えものです(汗
水流を作ってあげると喜ぶ!?
コリドラス・ステルバイは、水流を好みます。
フィルターの排水口で水流が強くなっている場所を、上下に激しく泳ぎ回っている姿が時々見られます。
水の落ち込みや水流を作ることで、溶存酸素を増やすことにも繋がりますので、ある程度の水流を作る工夫をしてあげると、喜んで水槽内を及び回ってくれるかもしれませね。
最後に
黒のスポット模様に、黄色の胸ビレが美しい「コリドラス・ステルバイ」。
掃除用として導入するのもいいですし、ステルバイだけを飼育して繁殖を狙ってみるのもいいでしょう。
とにかく丈夫で飼育しやすい熱帯魚なので、混泳させる1種としても非常にオススメです。