優雅で大きなヒレを持つ美しい熱帯魚のベタ。
小さな容器でも飼うことが出来るということから、人気の高い種類の魚でもあります。
そんな美しいベタですが、飼って間もないことに良く起こる「ウロコが剥がれる」という現象があります。
ウロコが剥がれた姿は程度によりますが、とても痛々しく、本来の美しさが損なわれます。
それ以上に、ベタが可哀そうですよね。
そんなウロコが剥がれ落ちてしまう原因と対処法、剥がれたウロコが復活するまでの期間についてご説明していきたいと思います。
ベタのウロコが剥がれる原因

ベタのウロコが剥がれてしまう原因には様々な要因が考えられます。
混泳している水槽であれば、魚同士の喧嘩でもウロコが剥がれるということは良く起こりうるといいます。
ただ、ベタは基本的に単独飼育で、混泳する場合でも小型プレコやカラシン系など温和な種類がほとんどなので正直、喧嘩でウロコが剥がれるというのは相当なものかと思います。
魚を入れすぎると、体が擦れあって、いわゆるスレ傷が出来きてウロコが剥がれる原因にもなると聞いたことがあります。
ベタは大きなヒレを持つ分、泳ぎがそこまで上手くないので、混泳させるときはあまり密集させないよう余裕を持たせてあげることが大切ですね。
あと、他で考えられるのは「病気である場合」と、「水槽に入れて間もないときのストレス」による場合です。
病気の場合
僕ら人間が病気にかかるように、熱帯魚だって例外なく病気にかかります。
熱帯魚の病気の中にも不治の病と呼ばれるような、かかってしまうと厄介なものも存在ます。
ベタでかかりやすい病気といえば、白点病やマツカサ病、赤斑病などがあります。
ウロコが剥がれるのが病気が原因である場合は、赤斑病である可能性が高いです。
特徴としては、体とヒレの一部分が赤く血がにじんだようになっていることです。
それによって、ウロコが剥がれることがあります。
この病気は、エロモナス・ヒドロフィラという細菌によって引き起こされます。
この細菌は、感染力はそれほど高いものではありません。
つまり、この病気にかかってしまう最大の理由が「水質の悪化」及び「魚自体が弱っている」ことを意味します。
赤斑病はかなり厄介な病気で、一度発症すると血のように見える部分がなかなか消えなかったりします。
また、同じ細菌が引き起こすマツカサ病にかかってしまう恐れすらあります。
このマツカサ病は、熱帯魚の不治の病の一つで、発症してしまうと高確率で死に至ります。
水質管理をしっかりしていれば、防げる病気なので定期的な換水をするといいですね。
障害物にぶつかって剥がれるケース
僕はベタを何度か飼育していましたが(この記事を書いた今現在も飼っています!)、ウロコが剥がれるというのは何度か経験したことがあります。
その多くが、水槽内に入れて間もない時でした。
当時飼っていた時は、砂利を入れないベアタンク方式の小さな水槽で飼っていて、人工水草をアクセントに置いているというシンプルな水槽内だったんですね。
で、数日経って餌をやっている時に背中あたりのウロコが剥がれているのが目につきました。
ベアタンクだったので、剥がれたウロコが下に落ちているのもハッキリと見えたんです。
中途半場に剥がれている部分もあり、かなり痛々しい感じだったのを覚えています。
ですが、これは2週間ほどで完全に治り、ウロコは元通りになったのです。
ここで考えられることは、まずこれは病気が原因ではないということ。
そういえば、入れた当初は激しく水槽内を動き回っていたので、人工水草やフィルターの給水口とかにぶつけて剥がれたと考えられます。
餌はバクバク食べるのですが、しばらく経ったら左右に勢いよく泳ぎだします。
環境が変わったストレスによるものなのでしょうか。。。
見た目が明らかに傷っぽく見え、赤く血がにじんでいる部分もありました。
ただし赤くなっている部分が、ウロコの剥がれた部分のみということなので、赤斑病とはちょっと違うんですね。
しばらく様子を見ていましたが、動きに問題なく元気に泳ぎ回っていましたし、日数が経つにつれ水槽にも慣れて激しく泳ぎ回ることもなくなりました。
不安材料となった人工水草も排除しておくと、一度ウロコが復活した後は特に同じようなウロコが剥がれるという現象に悩まされることも無くなりました。
なので、単に障害物にぶつけたことが原因である場合は、放っておいても治ります。
美しい見た目も元通りになるのでご安心を!

ただ心配なのが、傷が出来ることで細菌が入って病気になってしまうことも考えられます。
万一、ベタのウロコが剥がれてしまったら、治り具合の経過を注意深く観察するようにしましょう。