ペットフィッシュとしても人気の高いプレコですが、草食性が高く、水槽内に発生するコケを好んで食べることから、かつては「コケ掃除魚」というイメージの強い熱帯魚でした。
しかし、この「コケ掃除魚」というイメージを大きく覆すような魅力的なプレコが日本人によって発見され(1988年の時)、アクアリウム界に衝撃を与えることになります。
そのプレコというのは「インペリアル・ゼブラプレコ」といって、真っ白の体色に黒の縞々(シマシマ)模様を持つ、他のプレコとは明らかに異なる色彩、そして美しさを持つ種なんですね。
インペリアル・ゼブラプレコの登場によってプレコの人気に火が付き、それ以降も美しい種が多く紹介されていますが、本種ほどインパクトのある種はいないのではないでしょうか。
プレコの魅力を人々に知らしめたのは、間違いなくインペリアル・ゼブラプレコといっても過言ではありません。
以下では、インペリアル・ゼブラプレコの飼育方法や導入時の注意点などについてご説明していきますね!
目次
インペリアル・ゼブラプレコについて
インペリアル・ゼブラプレコは、プレコの聖地とも呼ばれるブラジルのシングー川流域に生息するプレコの仲間です。
発見されたのは1988年の時で、なんと、、、その発見者は日本人(松坂實氏と小川芳男氏の2名)というから驚きです。
ブラジルといえば、日本の真裏ですからね!
まさに、最果ての地での大発見です!
プレコという魚は、背ビレが船の帆のように高くカッコいい、、、全体的にも他の熱帯魚にはないような魅力的なシルエットをしています。
ですが、本種が発見されるまでのプレコのイメージというのは、「地味」、「コケ取の魚」というイメージが強烈すぎて、本当に魅力を知る者の間でしか専門に飼育をする人が少ない存在だったんですね。
インペリアル・ゼブラプレコの登場は、それこそアクアリウム界を全て巻き込むような衝撃を与え、瞬く間に注目を集めることになったんです。
それもそのはず、今までのプレコのイメージとはまるで逆で、とくかく美しいその姿に注目が集まらない訳が無いですよね。
インペリアル・ゼブラプレコの人気とともに、プレコという魚の魅力に皆が気付き、現在のプレコの人気を確立したような、プレコ界のスター的な存在といっていいでしょう!
インペリアル・ゼブラプレコの飼育データ
- 体長:10cm前後
- 水温:20℃~28℃
- 水質:弱酸性~中性
- 寿命:10年以上
- 参考価格:1匹あたり1万円前後~
インペリアル・ゼブラプレコは、体長が約10cmほどの小型のプレコです。
プレコといえば、売られているときは本当に小っちゃくて可愛い幼体の時がほとんどで、実は超大型種であることが少なくありません。
逆に、小型のプレコって結構少ないので、数少ない小型プレコの一つであるといえます。
美しい体色に、小型で飼育がしやすい、、、人気が爆発するのも分かりますよね!
ブラジルの規制により価格が高騰!?
他のプレコには見られないような、魅力的な姿をしているインペリアル・ゼブラプレコですが、日本のみならず世界的に有名でい人気のある種となっているんですね。
まあ、当然といえば当然ですよね(笑
発見当初時の価格は非常に高価で、10万前後で売られていることも珍しいことではありませんでした。
その後はかなり多くの数のインペリアル・ゼブラプレコがコンスタントに入ってくるようになって、価格は急落していくんですね。
僕が小さいときは、熱帯魚ショップではもちろんのこと、ホームセンターにまで目玉商品として売り出されているのを見ることが多かったくらいなんです。
価格は一時期、1000円、2000円という今では考えられないような値段で売られていることもあったんです。
しかし、乱獲によってブラジル政府から規制がかかってからは一気に価格が高騰し、特に現地採取個体(ワイルド個体)は、なかなか手に入らなくなり、お目にかかれても5万円~が普通です。
幸い、繁殖が容易なこともあって養殖された個体も出回っており、養殖(ブリード個体)であれば比較的安価で購入できます。
それでも、1匹1万~とかが普通で、決して安いとは言えませんよね。。。
自家ブリードでインペリアル・ゼブラプレコを販売しているブリーダーも多く、オークションサイトなどではさらに安く買えるかもしれません。
決して安くない価格でもバンバン売れているのを見ると、今でも昔と変わらずにインペリアル・ゼブラプレコの根強い人気が伺えます。
インペリアル・ゼブラプレコの餌について
インペリアル・ゼブラプレコは、餌やりがちょっと難しいといわれる熱帯魚なんですね。
まず、インペリアル・ゼブラプレコという魚はとても臆病な性格で、特に導入して間もない時なんかは全く餌を食べないことも珍しいことではありません。
また、照明器具(ライト)がついている状態だと餌を食べないこともありますが、ライトを消して暗い状態にしてあげると前に出てきて餌を食べることなんかがあります。
かなり警戒心が強いですよね。。。
与える餌については、プレコ専用の沈降性(水に沈むタイプ)が理想です。
GROW(グロウ)という餌は、細かくて小型プレコにとって食べやすいサイズなのでオススメです!
まず重要なのは、人工飼料にしっかりと餌付かせることです。
「なかなか食べてくれないなぁ~」という時は、照明器具を消した状態で与えてみるなど工夫してみるといいでしょう。
慣れてこれば明るい時でも前に出てきて餌を欲しがる個体も出てくるはずです!
隠れ家をレイアウト内に設置しよう!
臆病な性格のインペリアル・ゼブラプレコを飼育するには「隠れ家」が欠かせません。
全身すっぽりと入るような身を隠す場所を好み、隠れ家があると安心して生活ができ、ストレスを与えずに上手く飼育ができるようになるんですね。
そんな隠れ家といえば「土管」があまりにも有名です。
土管にも多くの種類があるので、自分好みのものでもいいですし、レイアウトに合ったものを設置するなど、土管(隠れ家)選びもちょっとした面白さの一つといえますね。
また、プレコといえば「流木」!
プレコの写真って、流木にピタッと張り付いている姿のものが多くないですか!?
実は、プレコの仲間には流木を餌にする種がいるんです。
つまり、レイアウトのつもりで入れた流木がそのまま餌としても利用できるんですね。
・・・ただ、インペリアル・ゼブラプレコには流木を削るような力はありませんので、流木を食べるプレコには該当しないといえます。
とはいえ、流木の表面にはコケや微生物が発生し、それが餌にもなります。
何よりも、プレコと流木のセットは見た目がいいですからね!
土管と同じように隠れ家にもなりますから、角が無く張り付けるような面のある流木を匹数と同じだけ入れてあげるのもオススメですよ!
インペリアル・ゼブラプレコの繁殖について
インペリアル・ゼブラプレコの繁殖は比較的容易で、繁殖例も国内だけで数えきれないほどあります。
というのも、インペリアル・ゼブラプレコは非常に高価で取引されるため、ブリーダーを目指す方も多く、今やネットで有益な情報がいくらでも手に入ります。
繁殖に関しても情報も充実しているので、これから「インペリアル・ゼブラプレコを増やしたい!」と思う方も、正確な情報を入れ、準備さえしていれば容易に行えるはずです。
まず、インペリアル・ゼブラプレコは、体長が5cm~6cmを超えたあたりから繁殖が可能といわれますが、成熟には数年ようすると思った方がいいでしょう。
オスとメスの見分け方ですが、、、
- メスはオスよりも体長が大きい
- 真上から除くように見ると、頭の「幅」はオスの方がメスよりも広い
- オスは顔の横や胸ビレ、尾筒にトゲがあるのに対し、メスには無い
上記のような特徴があります(他にもあったら教えていただけると嬉しいです!)。
ですが、これらは成熟した個体じゃないと判別が出来ないので、ペアを得るには「最初からペアで購入する」or「複数匹購入して自然形成されるペアを得る」の二通りになるでしょう。
インペリアル・ゼブラプレコは、飼育も難しくなく、繁殖も情報が出回っているためそれほど難しいものではありません。
・・・が、一番の問題は「価格」ではないでしょうか(汗
大きい個体では1匹数万なんて当たり前なので、成熟しきったペアだとかなりの値段です。
しっかりと飼育すれば10年以上生きる熱帯魚なので「いつか繁殖もできれば・・・」と思う方であれば、幼体を複数購入するという手もあります。
幼体といえど決して安いものではありませんが、後々に複数のペアを得ることも出来るかもしれません。
とはいえ、この価格は結構な驚異的、、、まさしく高級魚の域です。
なので、最初は似たような種で飼育~繁殖まで経験して慣れておくのも手です。
オススメは、「キングロイヤル・ペコルティア」のブリード個体です。
※ワイルド個体は高いですよ!
見た目も、インペリアル・ゼブラプレコに似たような美しさがありますし、繁殖も同じような手順(キングロイヤルの方が容易という声もあります)で行えます。
いくら情報社会で有益な情報が手に入っても、実際にやってみると難しかったりするんですよね・・・。
やっぱ経験には勝てません。
であれば、比較的手が出せやすく、似たような種を実際に飼育してみて、慣れてきた段階で「いざ!インペ!」という感じに段階を踏んでいくのもいいかもしれませんよ!
さいごに
登場して間もなく、プレコ界で一躍スターの座を勝ち取った種ともいえる「インペリアル・ゼブラプレコ」。
真っ白な体色と、黒のシマシマ模様のツートンカラーが美しく、発表されて以来、人気が衰えることがありません。
ブラジルの規制の関係から希少価値が高まり、さらに人気が上昇しているとも見て取れます。
大型種の多いプレコの中では珍しい「小型種」で、丈夫で飼育がしやすい種でもあります。
プレコに興味がある方、そしてプレコ好きの方であれば一度は飼育してみたい種であるに違いありません。
全ての熱帯魚の中でも魅力的な魚で、かなりの長寿なので、一つの種を長く飼育するような「ペットフィッシュ」が欲しいという方にもインペリアル・ゼブラプレコはオススメです!