ブルーとレッドのラインが美しいネオンテトラは、丈夫で飼いやすく初心者でも容易に飼育することが出来る「入門魚」としてよく紹介されている熱帯魚です。
ですが、実は特有の病気である「ネオン病」や、低水温で白点病を発症しやすいなど、難しい部分も多いことでも知られています。
他には、なんだか泳ぎ方がいつもと違うときがあるんですね。
水槽の下の方に行くときに、泳ぎにくそうにしていたり、ひどい時はお腹が真上を向いてひっくり返っている個体もいたりします。
そういった個体は、もしかしたら転覆病である可能性があります。
ここでは、その転覆病とはどんな症状なのかと、原因についてご説明していきます。
目次
転覆病とは?
転覆病は金魚やネオンテトラに非常に多く見られる症状で、ひっくり返ってしまってお腹が真上を向いてしまう症状のことを言います。
転覆病という名前と、その症状を知らない人が見たら、いったい何が起こったのかとビックリしてしまいますよね。
ですが、転覆病の症状についてある程度の知識があればそれほ慌てる必要はありません。
転覆病の主な症状
転覆病の主な症状は以下の2通りがあります。
下向きに泳ぎにくそうにしている
ネオンテトラが水槽の下方に行こうとしている時に、とても泳ぎにくそうにしていることがあります。
浮遊する力に逆らうように、頭を下にしながら頑張って下へ下へ泳ごうとしている姿は度々見られます。
ですが、この段階では転覆病かの判断は出来ず、可能性としてあるという段階です。
完全にひっくり返ってしまう
まるでお腹に風船でも抱えているかのように、ひっくり返ってお腹が上に向いてしまう症状は、まあ転覆病といっていいのでしょう。
頑張って体をもとに戻そうとしますが、やはりお腹の浮力に負けて、なんどもひっくり返ってしまう姿は泳ぎにくそうを通り越して、もはや可哀そうです(汗
転覆病の主な原因
名前に「病」と付くので、なんだか恐ろしい病気かと思う人もいるはずです。
しかし、原因には先天性によるものや、餌による一時的なものもあるので、一概に重大な病気であるとは言えません。
では、以下で主な原因を一つ一つご説明していきます。
餌によって引き起こされるケースが非常に多い
ネオンテトラが転覆病と思わせる症状になるのは、餌を食べた後が非常に多いです。
「餌」である主な原因は、、、
- 与えすぎ
- 消化の悪い餌
- 餌が古い
- 急激な水温の変化(特に低水温の場合に多く見られる)
餌を与えすぎることによって、お腹が膨張して浮力が強くなり、転覆病につながるケースは非常に多いように思います。
また、人工飼料は賞味期限が長いですが、大容量入っているタイプってなかなか減らないですよね。
フタを開ける度に酸素に晒されて、餌が古くなって酸化し、その古い餌を食べることで、消化するときに発酵ガスがお腹に溜まってしまうこともあるようです。
他には、餌をあげた後に換水をして水温が急激に下がった場合にも転覆病は多く見られるといいます。
購入してきて、水合わせをしないでいきなり投入した個体でも、転覆病の症状が見られたという報告があります。
餌をあげた後に、泳ぎにくそうにしている姿や、ひっくり返る姿が見られた場合は、まず間違いなく餌が原因でしょう。
この場合は、特に焦ることもなく、時間の経過とともにもとに戻っていきます。
エアー食いが原因である可能性も
これも餌が原因のうちに入るのですが、水面に浮くタイプの餌を与えている水槽でよく見られます。
人工飼料のフレークタイプなどがコレにあたりますが、ネオンテトラが水面に浮いた餌を食べるときに、同時に空気も一緒に吸い込むことで起こります。
また、浮くタイプの餌は水を吸収するのが遅く、食べた後もお腹に空気が溜まりやすい原因となっているようです。
特に、常に水面にいて口をパクパクしている個体は、転覆病になりやすい傾向にあるんですね。
これを予防するには、餌を与えすぎないことが重要になります。
先天性によるもの
転覆病には先天性のものがあるといわれています。
先天性とは「生まれつきそうであること」です。
残念ながら、先天性では助からないことがほとんどといわれます。
実は、ネオンテトラは「先天性による奇形」も多く見られるんですね。
奇形と言っても、背骨が曲がってしまっていて、若干形が歪んでしまっていて、問題なく飼育することが出来ます。
僕の水槽でも、そういった奇形を持つ個体が何匹かいますが、これらの個体は餌を食べた後に転覆病の症状をかなり頻繁に見られます。
ひっくり返って、体を起こして、、、の繰り返しで回転しながら水槽内を泳いでいるのを見た時はビックリしました。。。
なので、個体差でも転覆病を発送しやすい個体と、そうでない個体がいるといえます。
病気が原因である場合
上記でご説明した、先天性によるものや餌、空気ではなく他が原因の場合は深刻な病気である可能性が高いです。
ネオンテトラに多い病気は「白点病」があり、これは低水温で引き起こされることが多いです。
体に白い点々や、餌をあげてもいないのに転覆病の症状を見せるときは、水温を徐々に高くして様子を見るといいでしょう。
また、感染症では不治の病とされる「ネオン病」という厄介な病気もあります。
体色が抜けたような感じで、元気のない個体がいる場合は要注意です。
ネオン病は今のところ、ネオンテトラ・カージナルテトラ・グリーンネオンのみ発症が確認されていて、不思議なことに他のテトラで発症したということを聞いたことがありません。
これら3種では感染力が非常に強く、1匹発症すると水槽内の同種が全滅するほどです。
しかし、これだけ感染力が強いのに、他の種類の熱帯魚には感染しません。
ネオンテトラのかかり易い病気については以下の記事をご覧ください。
これらの症状が、間接的に転覆病に繋がっているケースもないとは言い切れないのです。
転覆病の対処方法
他の病気が原因である場合は、それぞれの治療方法が必要となりますが、餌が原因でひっくり返ってしまう場合には以下の方法で治すこともできます。
それは、とにかく「餌を与えない」ことです。
そして、水温をいつもより2~3℃高く設定します。
水温を急に上げるのは危険なので、1日1℃というように徐々に上げるようにしてください。
そして、0.5%の塩水(水1リットルに対して5グラム)で塩浴させると効果的だといいます。
水草水槽に塩を入れてしまうと、水草が枯れてしまう恐れがあるので、別水槽で治療専用の水槽を用意すると便利ですね。
まあ、餌が原因の場合は特に何もしなくても大丈夫ですが、あまりにもヒドイ個体がいる場合は上記の方法を試してみてください。