水槽のコケ対策として”生体”に除去してもらう方法はかなり有効で、プレコやオトシン系と言ったコケなどの藻類を主食とする熱帯魚を導入する方は非常に多いです。
熱帯魚以外にもヤマトヌマエビなどのエビ系や、貝類など、探せばコケを食べてくれる生体は数多く存在します。
ここでは、貝類の中から面白い形状のものをピックアップしてみたいと思うのですが、古くからコケ掃除で有名な石巻貝(イシマキガイ)を皆さんはご存知でしょうか。
既にアクアリウムをやっている方であれば、知らない人の方が少ないかもしれませんね。
この石巻貝の貝殻部分に突起状の物体(トゲトゲ)が付いている、面白いタイプがいるのをご存知でしょうか?
その名も、「サザエ石巻貝」といって、あの海の幸でもお馴染みのサザエのように貝殻にトゲトゲがあるんですね。
基本的には石巻貝と飼育方法や注意点は同じですが、このサザエ石巻貝のことについてもご説明していきたいと思います。
目次
サザエ石巻貝について
サザエ石巻貝は、日本の南西諸島の汽水域に生息している貝で、普通の石巻貝と同様に活発的に動くため水槽に発生するコケの掃除屋としてかなりの働きをしてくれます。
トゲトゲが生えている貝殻であることから、(トゲ=イガ)イガカノコガイとも呼ばれますが、見た目がトゲの生えている石巻貝そっくりなことから、既に名の通った石巻貝と、トゲのある貝殻をサザエに見立て、「サザエ石巻貝」と呼ばれることが多いです。
見た目的にちょっと変わった、カッコいい?感じのが欲しいという場合は、サザエタイプを導入するといいでしょう!
サザエ石巻貝の飼育データ
- 体長:貝殻の最大経大は約2.5cmほど
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:15℃~28℃
- 寿命:約1年ほど
サザエ石巻貝は、貝殻の大きさが最大で2.5cmほどの小さな貝です。
水質と水温には幅広く対応できる貝で、弱酸性・中性・弱アルカリ性と普通に飼育する分には水質はあまり考えなくていいのではと言うくらいの対応力です。
ただし、pH値が低すぎる水質は好みません。
基本的に、貝殻ごとバリバリ食べてしまうフグとか、貝を食べてしまう魚以外であれば、どんな種類とも混泳させて問題ありません。
(サザエ)石巻貝のあるある
石巻貝といえば、昔からよく働いてくれるコケの掃除屋として親しまれてきましたが、色々と飼育場でも問題があるので以下で紹介していきますね!
ひっくり返ったら起き上がれず・・・死ぬ
これは本当によく起こります。
水槽のガラス面や、水草に張り付いていたのがいきなり落下することがあるんですが、貝殻の構造上の問題なのか高確率で上下逆さまで着地するんですよね・・・。完全に欠陥です(汗
そうなると、自ら起き上がれることが少なく、人の手で起こしてあげないと死んでしまうことがあります。
・・・しかし!!
サザエ石巻貝はちょっと違って、貝殻のトゲトゲがあるお陰で完全に上下逆さまになることが少なく自力で起き上がれることが多いんです。(生存率UP!)
でもやっぱり、起き上がれない個体も存在するので定期的に底を確認するのが良いでしょう。
脱走して干からびる
サザエ石巻貝が活発的に動くのは夜、つまり夜行性の生き物なんですね。
これも普通の石巻貝と全く同じで、夜間に活発的に動き回り、水面を突き抜けてそのまま水槽外へ行ってしまうことがあります。
当然、水中でなければ生きていけないので、脱走した貝をそのままにしておくと干からびて死んでしまいます。
・・・が!
脱走してから24時間以内だと助かることが多いので、落ちている貝を発見したら、諦めずにいったん水槽に戻して様子を見るようにしましょう。
ヒーターに焼かれて死ぬ
ヒーターに張り付いている時に、電源がONになり、そのまま焼かれて死ぬ。。。
そんなことある訳がないと思うかもしれませんが、結構多いんですよねコノ事故。
なので、貝類を飼育する水槽ではヒーターカバーは必須です!
ヒーターカバーの隙間から貝が中に侵入してしまうようなら、ネットを張る(被せる)などの工夫をしましょう!
カラータイプのサザエ石巻貝も存在する
シックな単一色も良いですが、実はカラーが楽しめる貝だったりするんですね。
黄色と黒の・・・まあ、こういったタイプも水草レイアウトに入れれば色のアクセントとなって面白そうですね!
ちなみに、サザエ石巻貝は成長していくと、貝殻の先が溶けたようになったり、トゲトゲがボロボロになったりするのですが、これはごく普通の現象で個体の健康状態には全く問題ありません。
サザエ石巻貝の繁殖
繁殖も石巻貝と全く同じで、水槽内での繁殖は事実上「不可能」です。
理由は、産卵は淡水の川で行われるのですが、孵化した幼生は川を下り海へ出ます。
そして、幼貝へと成長した個体は再び川を遡って戻ってくるという生態を持ちます。
つまり、淡水では成長することが出来ないんですね。
繁殖して増やすことは出来ませんが、貝の増えすぎて困るということが起きないというメリットがあるんです。
・・・が、しかし。
卵は産みます。
水槽のガラス面、流木、水草の葉の表面と色々な場所に。
卵を産みまくる水槽下では、水質が弱アルカリ性に傾いている時が多いとの情報もあります。
基本的に弱酸性であるはずの水草レイアウトにも関わらず、あまりにもビッシリと産卵するようであれば水質をチェックしてみることをお勧めします。
産み付けられた卵は少量だとあまり気にならないのですが、多いと観賞価値を下げるほどなので、水槽のガラス面は三角定規などを用いて除去するといいでしょう。
最後に
コケ掃除に石巻貝とかの貝類を導入する方は非常に多いはずです。
良く動き回り、コケ処理能力が高い、それでいて水草を食害しないというコケ掃除にうってつけの存在なんですよね。
※柔らかい水草や弱った部分は食害の可能性あり!
ちょっとカッコイイ貝をコケの掃除屋として導入したい!
変わった石巻貝を導入してみたい!
そんな時は、サザエ石巻貝がお勧めです!