油膜や糸状藻類を食べる漆黒の魚「ブラックモーリー」は海水でも飼える!魅力や飼育方法・注意点について

メダカの仲間

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熱帯魚には数多くの種類が存在し、その色彩も豊富で魅力的なカラーを持つものが多いですよね。

なので、熱帯魚といえば「綺麗」というイメージがあると思います。

しかし、中には色が控えめだったり、地味な色彩の種類も存在します。

今回、ご紹介したいのが「ブラック・モーリー」という熱帯魚です。

ブラックモーリーは「漆黒」と言われるほど、真っ黒な体色で知らています。

一見すると地味ではありますが、コケ類や油膜を食べてくれるため、とても重宝されている熱帯魚なんですね。

 

ブラック・モーリーについて

ブラックモーリーは、メキシコやコロンビア、などの中南米などに生息する、カダヤシ目・カダヤシ科・グッピー属(Poecilia属/ポエキリア属)の魚です。

グッピーとは同属、プラティとは同科に分類する、メダカの仲間となります。

画像の通り、まさに「漆黒」と呼ぶに相応しいほど真っ黒な姿があまりにも特徴的の熱帯魚です。

基本、ブラックモーリーは普通のモーリーから生まれた突然変異体(黒色変異個体=メラニスティック)を固定した品種を指します。

つまり、改良品種ということですね。

ですが、他にもモーリーとセイルフィンモーリーの交雑によって誕生したメラニスティック個体を固定した品種も存在します。

※メラニスティック(メラニズム)とは、アルビノの逆で黒色色素により真っ黒になることです。

 

ブラック・モーリーの飼育データ

  • 体長:オスが6cm、メスが10cm
  • 水質:中性~弱アルカリ性
  • 水温:23℃~27℃
  • 寿命:3年程

 

体長はオスとメスで大差が出る魚で、6cm~10cmと中型の熱帯魚の分類に入ります。

寿命もメダカの仲間の中では長い方で、しっかりとした環境で飼育してあげれば5年以上生きることも珍しくありません。

この種は白点病にかかりやすい傾向にあります。

白点病は低水温で発症することが多いので、水温は25℃前後に合わせるのが理想です。

 

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ブラック・モーリーの最適な水質について

ブラックモーリーは、中性~弱アルカリ性での飼育が望ましい熱帯魚です。

しかし、水草を育てている水槽では嫌でも水質が弱酸性に傾きます。

弱アルカリ性を好む熱帯魚ではありますが、弱酸性の水質にも広く対応することが出来るので、大きく酸性に傾かせなければ水草レイアウトでの飼育も全然可能です。

実は、ブラックモーリーは淡水だけではなく、完全海水にも対応できる魚です。

つまり、海水魚としても飼うことができるんですね

野生のブラックモーリーは、淡水はもちろん、汽水域(淡水と海水が半々に混ざった水)、海水と幅広く生息しています。

もともと淡水で売られているのを、海水で飼う場合は「点滴法」で徐々に水合わせをすることで対応させることが出来ます。

水質が大きく変わるので、通常の水合わせよりも時間をかけて行うのがいいでしょう。

熱帯魚を水槽に入れる前に!水合わせの基本で王道「点滴法」に必要な道具とやり方

 

掃除屋として重宝されるブラック・モーリー

(どの方向から見ても黒一色は、まさに漆黒!)

ブラックモーリーは、水面に浮かんでいる油膜を食べてくれる熱帯魚で有名です。

そのため、油膜対策として導入されることがよくあるんですね。

油膜が浮いていると、照明が遮られて鑑賞としての価値が低下しますし、水草レイアウトでは光合成に支障が出る場合もあります。

油膜の原因は多々ありますが、バクテリアの死骸が油膜として浮いている場合もあり、それを放置しておくと水質悪化に繋がることがあります。

それを防ぐ対策として、ブラックモーリーは非常に良い働きをしてくれるんです。

また、糸状の細かなコケも食べてくれます。

ブラックモーリーは雑食で、いつも何かを探し回って水草などをつついている姿が見られます。

油膜とコケ対策の両方にも活躍してくれます。

 

混泳時の注意

油膜やコケ対策としてブラックモーリーを導入する場合、小型の熱帯魚との混泳は注意が必要です。

というのも、ブラックモーリー自体が中型の熱帯魚であるため、あまりに小さい熱帯魚との混泳は避けた方が無難です。

ブラックモーリーは、気性が温和なものもいれば、気性が荒いものなど個体差がかなり激しいです。

特に、同種同士の争いは度々目にします。

中層以上を泳ぐ熱帯魚なので、コリドラスなどの低棲魚との相性は抜群に良いです。

同じく中層以上を泳ぐ熱帯魚と混泳させるときは、気性が温和で同じくらいの大きさの種類を選ぶようにしましょう。

また、オスは6cmまでしか成長しないので、油膜やコケ対策で導入するときはオスだけをピンポイントで購入するという手もあります。

(ある程度成長した個体ではオスとメスの判別が容易です)

あと注意しなくてはならないのは、グッピーとの混泳です。

同じ「Poecilia属」であるモーリーとグッピーでは、交配が成り立つので混泳させておくと交雑することがあります。

ちなみに、プラティは「Xiphophorus属」の為、交配が成り立たずに交雑することはほぼ100%不可能です。

 

ブラック・モーリーの繁殖

ブラックモーリーは非常に繁殖が容易な熱帯魚で知られます。

その理由は、卵胎生といって胎内で卵を孵化させて稚魚の状態で生むからです。

グッピーやプラティも同じく卵胎生の熱帯魚で知られています。

成熟した個体ではオスとメスの判別が容易です。

オスは、尻ビレにゴノポディウムのいう尖った生殖器官を持ち、メスにはこれが無く綺麗な扇形をしています。

また、ブラックモーリーの場合はオスとメスで大きさが異なるので、とにかくデカイのはメスである可能性が高いです。

ブラックモーリーのメスは、一度の出産で平均30匹程度の稚魚を生みます。

最初の出産では数が少なかったりしますが、回数を重ねるごとに出産する稚魚の数が多くなる傾向が見られます。

グッピーやプラティ同様に、出産したばかりの稚魚は親や他の魚に食べられてしまう危険性があります。

なので、出産間近のメスを一時的に産卵ケースやサテライトに移すことで、確実に稚魚を獲得することが出来ます。

しかし、この種はとにかく増えまくることで有名なので「増えすぎ注意」というのは頭に入れておいた方が良いでしょう。

 

最後に

油膜やコケを掃除してくれることで有名なブラックモーリーですが、ここまで真っ黒な熱帯魚も他にはいないので、かなり珍しい色彩の持ち主とも言えますよね!?

特に水草レイアウトでブラックモーリーを泳がせると、黒色が目立ってとてもカッコよく見えます。

また、基本的に熱帯魚って明るい色のものが多いですが、その中にブラックモーリーの黒を追加すると色のアクセントとなって見た目が良くなります。

他にはない漆黒の色彩は、観賞魚としてもお勧めです。

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