綺麗な青色~青紫色のボディに、黒い横線模様が入った「インパイクティス・ケリー」という熱帯魚をご存知でしょうか。
実はこの熱帯魚、今上天皇陛下が皇太子をされている時代に、ブラジルから持って帰ってきたという存在自体が高貴な魚だったりします。。。
紫色って古くから高貴な色として扱われ、小型のカラシンでは珍しい色彩なので、とても貴重な存在でもあるんですね。
ただ、やや気性が荒い面があり、他の熱帯魚との混泳には注意しなくてなりません。
ここでは、インパイクティス・ケリーの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきますね!
インパイクティス・ケリーについて
インパイクティス・ケリーは、ブラジルのマディラ川上流域に生息する小型カラシン科の熱帯魚です。
美しいブルー、もしくは青紫にも見える凛とした色彩が人気で、水草の緑色によく映えるという事から、水草レイアウトに好んで導入される種でもあります。
また、横一直線に走る太い「黒線」があまりにも特徴的です。
インパイクティス・ケリーは、今上天皇陛下が皇太子をされている時、1978年に行われた「ブラジル移民70周年記念式典」でブラジルを訪問した際に寄贈され、日本へ持って帰ってきた熱帯魚なんですね。
そのことから、「ロイヤル・テトラ」とも呼ばれています。
ロイヤル(royal)は、王とか王室を意味する言葉なので、まさにこの魚にピッタリ名前ですよね!
日本へ持って帰ってきた個体ですが、その後に宮内庁から以来を受けた、東熱帯研究所の東博司氏によって繁殖に成功し、日本国内で流通するようになりました。
※最初に繁殖に成功した個体が、現在のブリード個体の元になっているといわれています。
ちなみに「エンペラー・テトラ」と非常によく似た姿をしているので混合しないように。。。(汗
似すぎ、、、だけど黒線の位置、尾びれの形状、大きさなどが違う、完全の別種です。
インパイクティス・ケリーの飼育データ
- 体長:4cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20℃~25℃
- 寿命:3年~5年
- 参考価格:1匹あたり150円前後
インパイクティス・ケリーは、体長が最大で4cmほどの小型の熱帯魚です。
水質の悪化に弱い熱帯魚ですが、いったん慣れると飼いやすい魚なので、初心者が初めて飼育する「入門魚」としても最適なんですね。
ただし、気が少々強い(荒い)面もありますので、他の熱帯魚と混泳させるときは注意が必要かもしれません。
水温は比較的、低水温を好む傾向にあるので、真夏の暑さ対策は必須となるでしょう。
混泳時の注意
インパイクティス・ケリーは、個体差もありますが気がちょっぴり強気な熱帯魚です。
同種同士では小競り合いをしたり、テリトリーを持つ個体が居て、近づいた個体を追い払ったりと、結構にぎやかな姿が見られます。
ただ、他の種類の熱帯魚にはあまりちょっかいを出さないことも多いので、普通に混泳が出来るという場合もあります。
混泳を上手くするコツとしては、ある程度の数で飼育することです。
理由は、少数で飼育すると強い個体が絶対王者的な存在になり、自分より弱い個体を一方的にボコボコにしてしまいます。
まさにフルボッコ状態です。。。
しかし、ある程度の数で飼育(極端にいえば過密状態)することで、攻撃対象が増えて特定の個体だけがイジメられるのを防げますし、他にも強い個体がいれば縄張り意識を弱める効果もあります。
これは、インパイクティス・ケリーだけで飼育するときも同様です。
縄張り意識が強くテリトリーを持つ熱帯魚は、複数導入した方が飼育が上手くいくことが多いです。
また、隠れ家となる水草や障害物(流木とか。。。)もいっぱい用意してあげるといいですね!
とはいっても、インパイクティス・ケリーは、相手がボロボロになるまで叩きのめすほど、気性が激しく荒い性格ではないです。
もし、性格のキツイ個体が出てきたときは、隔離するか、上記で書いた数を増やすかで対処するといいでしょう。
インパイクティス・ケリーの魅力的カラー
インパイクティス・ケリーの魅力は、その高貴な青~青紫色のボディです!
写真では見えないのが残念ですが、この青や青紫色のカラーは、全体を包むように纏っていてキラキラ光って綺麗なんですね。
見る機会があれば、水槽に顔を近づけてよ~く観察してみてくださいね!
また、この青色や青紫色の発色はオスの方がより濃く出て、より美しい個体になります。
メスはオスほどの発色はなく、ちょっとだけ地味な感じですが、背びれと尾びれの間にチョコンと生えている「脂ビレ」がオレンジ色に染まるという特徴があります。
この色彩の違いから、オスとメスの判別が容易に出来ます。
ちなみに、導入時は地味な感じでも、飼育していくうちにどんどん色が引き出されて綺麗になっていきますよ!
インパイクティス・ケリーの繁殖
インパイクティス・ケリーは、水槽内での繁殖が比較的容易なことで知られています。
※カラシン科の中では容易なだけで、決して簡単という訳ではないです。。。
水草レイアウトでは、気が付いたら水槽内に稚魚がいたという事も多々耳にします。
オスとメスの判別は上記で書いたように、色彩の違いで容易に判別が可能です。
産卵は、カラシン科に多い「バラ撒き型」といって、卵を撒くように産み落とす繁殖形態です。
水草を沢山茂らせている水槽では、いつの間にか稚魚が泳いでいることもあるかもしれませんよ!?
さいごに
貴重で珍しいカラーである紫色をそのカラダに持つインパイクティス・ケリーは、まさに「皇魚」とも言うべき存在。。。
この美しい色彩は、水草レイアウトに複数で泳がせると、それこそ「息をのむほど美しいッ!」というような水槽が作れるはずです。
青系、そして珍しい紫色の熱帯魚が欲しいという方には是非、インパイクティス・ケリーがお勧めです!