水草レイアウトを始めるにあたって、水草を選ぶわけですが、実際にショップを覗いてみると実に多くの種類の水草があります。
見ていると、あれもこれも水槽内に植えてみたくなってきますよね。
そんな多くの種類のある水草ですが、実は水草には「水中葉」と「水上葉」の2種類が存在します。
ここでは、この水中葉と水上葉の特徴やメリット、デメリットについてご説明していきます。
水草購入時は表記に注意
水草を購入するとき、ショップに直接足を運んで購入する場合はあまり問題ではないかもしれませんが、ネットショップで購入する場合は表記に注意する必要があります。
というのも、直接ショップに行けば、水中に入っている水草を買えばそれは間違いなく「水中葉」ということになります。
しかし、実物が見れないネットショップだとそれがわかりません。
水草というくらいだから全てが水中に植えられているというイメージがあるかもしれませんが、実は結構な種類の水草が水上でも育てることができるんですね。
それでは、水中葉と水上葉について詳しくご説明していきますね。
水中葉と水上葉について
水中葉とは、名前の通り水中で育てられている水草をいいます。
水草と一言で言うと、この水中葉をイメージするはずです。
一方で水上葉は、観葉植物のように水上で育てられている水草のことをいいます。
水草なのに水上で育てられるのかって疑問が浮かんできそうですが、結構な種類の水草は水上でも育てられることが多かったりします。
水中葉と水上葉の決定的な違い
水中葉と水上葉では、面白い”違い”が見られます。
例えば、水中葉では成長すると葉を真っ赤にするタイプのものがあります。
ロタラインディカやハイグロフィラといった種類全般がそれにあたります。
しかし、水上葉では全く赤色に変化することはなく、成長しても緑色のままです。
また、種類によっては葉の大きさや形状までことなるので、全く同じ種類の水草でも見比べた時、これが同じ種類の水草とは到底思えないというような面白い違いもあります。
特にウォーターウィステリアという水草は、水上葉だと葉は丸く、水中葉だと葉はノコギリのようなギザギザになり、「同じ種類でもこんなに違うのか」と思うくらいです。
水中葉のメリットとデメリットについて
水中葉のメリットは、最初から水中で育てられていた水草であるため、購入してきて即座に自分の水槽内で育てることが出来ます。
もともと水中で育てられていたので、丈夫で育てやすく、植えた時すぐに綺麗な姿を楽しめるというのも特徴です。
水中葉のデメリットをいうとすれば、購入時に一時的に水中から出されて、湿らせた用紙などにくるんで持たされますよね。
直接ショップで購入すれば、短時間なので問題はないですが、ネットショップで購入した場合は陸に上がっている時間が長ければ長いほど、水草は弱ってしまいます。
ネットで購入した場合は出来るだけ早く水中に戻してあげたいところですね。
水上葉のメリットとデメリットについて
水上葉のメリットは、とにかく丈夫で日の光が当たるような場所でも簡単に育てることが出来ます。
水中葉に比べて茎や葉が太く大きいものが多く、見ごたえがあったりします。
そして、水中葉にくらべて安価なのが特徴です。
また、もともと水上で育てられていため、ネット購入であっても郵送時に弱るリスクが水中葉に比べて圧倒的に少ないです。
さらに、水上葉は価格が安い!
高い品種の水草でも水上葉なら、安く売っている場合もあります。
ただし、これを水中で使用する場合は「水中化」する必要があります。
水中化は以下で詳しくご説明します。
水上葉のデメリットは、水草レイアウトとして利用するなら水中で利用するはずなので、最初に水中化をしなくてはいけません。
水上葉を水中化して水上葉に!
「水上葉を水中化して水中葉に・・・」なんか早口言葉みたいですが、早い話、水上葉は水中化することで普通に水草レイアウトに使用できます。
まず初めに、水中化には最低でも1週間くらいはかかり、品種によっては結構な時間を要するものもあります。
水中化の仕方はいたって簡単で、普通に水中にセットするだけです。
そうすると次第に、枯れていき根と茎を残した状態となります。
ネット購入の場合、表記を確認せずに水上葉を購入していた場合、この段階で「育成に失敗した・・・」「枯れちゃった・・・」と思い、水草そのものを撤去してしまっては勿体ないですね。
その後、新しい葉を出して水中に適した水草へと変わっていきます。
水中でも問題なく成長するようになれば水中化は完了という訳ですね。
そもそも、なんで水草なのに水上葉なんて売られているのか疑問に思いませんか?
まあ、これはショップ側の都合で水草は水中で育てるより、水上で育てた方が圧倒的コストの削減になるんですね。
屋外で育てられる品種であればなおさら、水質の管理も必要ないし、空気に触れていれば二酸化炭素の添加も必要ありませんし、日の光に当てて育てればグングン成長します。
水草の販売業者など、大量に育てるには狭い水槽内で管理するよりも、よっぽど効率がいいことは想像がつきますね。
ちなみに、全てが水中化できるわけではありません。
特に、水中葉とか水上葉とかの表記がなく、水中で育てられているものはあまり気にしなくてもいいかと。
また、逆に水中葉を水上化することも可能です。
当然、水上で育てられる品種に限られますが、増えすぎた水草を他の入れ物に移して水上葉として双方の違いを楽しむなんてことも面白そうです。