水草育成には水質が大事!硬度とpH(ペーハー)と二酸化炭素の密接な関係を知ろう!

水草育成

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水槽で水草を育成するために必要な要素といえば、二酸化炭素と光、つまり光合成ですよね。

動物のように物を食べることが出来ない植物は、光合成によって自ら養分を作り出し成長することができるんですね。

ただ、もう一つ見落としがちな要素が存在します。

それが、「水質」なんですね。

陸上の植物とは全く異なる環境で育つ水草は、名前の通り全てが水中に沈んでいる状態となっているため、水質の影響を大きく受けることになります。

そして、その影響を大きく与える要素というのが「pH(ペーハー)」と「硬度」の2つなんですね。

ここでは、これらの要素がもたらす影響や関係性についてご説明していこうと思います。

 

pH(ペーハー)について

pH(ペーハー)というのは、水だけに限らず全てのものにある水素イオン濃度のことを指し、0〜14までの数値で表されます。

理科の実験でリトマス紙という色の変わる道具を用いて実験をしたことがある方も多いですよね!

この数値の7.0をちょうど真ん中の中性とし、数字が小さくなるほど酸性が強く(大きく)なっていき、数字が大きくなるほどアルカリ性が強くなるというものです。

ちなみに、、、日本の水道水のほとんどは中性くらいとなっています。

 

硬度について

硬度というのは、水に含まれているカルシウムイオンとかマグネシウムイオンなどの量によって決まります。

文字通り、水が硬いか軟らかいかで表現されるんですね。

水の硬度には、その測り方によって「炭酸塩硬度」、「硫酸硬度」、「総硬度」の3種類に分けられますが、この中で水草育成に最も重要となるのが炭酸塩硬度(以下、硬度と訳します)です。

ちなみに硬度の高い水というのは、ヨーロッパの水道水がまさにそれにあたり、飲むと喉に引っかかるような感覚があったり、石鹸が泡立ちにくいなど特徴があります。

日本の水道水は、石鹸がよく泡立ち、喉にスーッと入っていく軟らかい水(とても飲みやすい)、すなわち「軟水」であることがほとんどです。

 

水草の好むpH値と硬度とは?二酸化炭素の関係性についても!

全てではありませんが、大部分の水草が好むpHは弱酸性〜中性の水質です。

もちろん中には弱アルカリ性を好む種類の水草も存在しています。

ただし、その種の水草でも中性であれば育成になんの支障もないというのが普通なんですね。

 

次に硬度ですが、大半の水草は軟水〜弱硬水の範囲を好みます。

やや硬度が高い水質を好む水草はありますが、極端に高い硬度を好む水草はありません。

なので、水質を強制的にアルカリ性へと傾ける性質のあるサンゴ砂は、水草水槽での使用は避けた方がいいでしょう。

当然、全ての水草がダメという訳ではありませんが、本来の美しい姿に育ってくれる水草はごく限られてくるんですね。

 

このpH値と硬度、水草育成に欠かせない二酸化炭素の溶存量(水中に溶け込んでいる二酸化炭素量のことです)は相互に関連しあい、次のような関係性があります。

 

  1. pH値が一定なら、二酸化炭素の溶存量を徐々に増やすと、硬度が徐々に高くなる
  2. 硬度が一定なら、二酸化炭素の溶存量を徐々に増やすと、pH値が徐々に低くなる
  3. 二酸化炭素の溶存量が一定なら、硬度が徐々に高くなると、pHが徐々に高くなる

 

以上、上記の関係を持つため、水の硬度が高くなると、大半の水草の好む弱酸性とはならず、pH値が弱アルカリ性へと傾いてしまうことがわかります。

逆に、二酸化炭素の溶存量を増やせば、水質は酸性へと傾き、多くの水草が好む弱酸性(6.7〜6.8くらい)の水質にすることができるようになります。

このことから、二酸化炭素の人為的添加は光合成を助けるためだけじゃなく、水草の好む水質作りにも絶大な効果があるんですね。

 

ただし、高いアルカリ性を示すサンゴ砂をしようしているような水槽に、二酸化炭素を添加しても全くの無意味なのでそこは注意しなくてはいけないところです。

なぜかといいますと、、、二酸化炭素を添加するとpH値は徐々に下がっていきますが、サンゴ砂使用で元々高かった硬度はさらに高くなって、そもそも水草を育成出来るような環境ではなくなってしまうんですね。

このような理由から、高いアルカリ性と高い硬度の水質というのは、ほとんどの水草にとって好ましくない環境なんですね。

 

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pH値は市販グッズで自由に調節が可能!

水槽のpH値は、市販の「pHアップ(もしくはダウン)」を用いることで、自由に変化させることができる超便利なアイテムが各社から出されています。

また、pH値を知りたい場合は簡易の水質検査薬や、電子のpHメーターがあります。

中でも、電子pHメーターは瞬時に正確な値を調べることが出来るので、1本持っておくとメチャクチャ便利ですよ!

硬度を知りたい場合にも同様に、市販の試験薬がありますので、こういったもので簡単に自分の水槽の水質を知ることが可能なんですね。

…ただちょっと、試験薬は取り扱いが面倒な部分はあります。

まあ、これも水質管理には欠かせない作業ですからね!

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