熱帯魚水槽に発生する悩ましき「コケ」問題を除去してくれることで有名なヤマトヌマエビ。
アクアリウムの経験がおありなら、一度は飼育したことがあるという方も多いはずです。
ヤマトヌマエビはもちろんですが、エビ類ってとにかく水質にうるさい生き物なんですね。
つまり、綺麗な水でなくては生きていけないんです。
水質が合わないと体色に異常をきたし、色が濁って見えたり、また赤色っぽくなる場合があります。
実はこの体色が赤くなるというのは、かなり危険なサインなんですね。
もし、体色の赤いヤマトヌマエビを見つけたら、早急に水質の改善が必要な場合があります。
ここでは、ヤマトヌマエビの体色が赤くなる原因についてご説明していきますね。
ヤマトヌマエビの体色が赤くなる原因について
ヤマトヌマエビの体色が赤くなる原因はいくつかあります。
一つ目は、高水温が原因であること。
そして、二つ目は水質に問題がある場合です。
※他にもいくつか考えられますが、二番目の水質の問題が大きく関わってくると思います。
どのような原因だとしても、体色が赤くなったヤマトヌマエビは「短命」で、「赤いヤマトヌマエビがいるなぁ~」と思っていたら、その後すぐに死んでしまうケースが非常に多いんです。
皆さんの水槽のヤマトヌマエビはどうですか?
もしかして、体色が赤っぽく変化したヤマトヌマエビが水槽内にいたりしないでしょうか。。。
では、一つ一つ詳しく説明していきますね。
高水温が原因の場合
ヤマトヌマエビは、やや低水温を好みます。
とは言っても、20℃~26℃くらいの範囲では普通に飼育が出来ますので、通常の熱帯魚との混泳もさほど水温を気にするものでも無いといえます。
28℃くらいまではなんとか大丈夫ですが、それ以上水温が上がってしまうと危険です。
夏場は水温の上昇を防ぐような処置をしないと、水温28℃なんてあっと言う間に超えてしまうことだってあります。
水温が高くなりすぎると、ヤマトヌマエビは水面ギリギリまで登ってきて苦しそうにします。
当然、そのまま放置してしまうと水槽内にいるヤマトヌマエビが全滅することだってあるんですね。
そして、高水温が原因で体色が赤っぽく変色することがあるんです。
死んでしまったヤマトヌマエビが、真っ赤に変色していたという声も非常に多く聞きます。
なので、夏場の水温管理には十分な注意が必要なんですね。
水質が原因の場合(重要!)
ヤマトヌマエビが赤く変色するのは高水温が原因ということが強く根付いている感じがしますが、実は水質が原因である場合の方が多いです。
どういうことかと言うと、、、ヤマトヌマエビとかのエビ類って綺麗な水じゃないと生きていけないと上記で書きましたね。
つまり、相当な綺麗好きなんです。
エビが生息している川=水質が綺麗とまで言われるくらいですからね。
そもそもが、綺麗な水質じゃないと生きていけないヤマトヌマエビなんですが、まず濾過の効いていない水槽だと短命になりやすいのは確かです。
「濾過が効いていない」というのは、生物濾過であるバクテリアが十分に繁殖していなく、生体にとって有害となるアンモニアや亜硝酸が分解されずにそのまま蓄積されていく状態です。
そして、このアンモニア濃度が、ヤマトヌマエビの体色が赤くなることに関係していると考えられます。
アンモニア濃度が高い水槽では、体色が赤っぽくなる個体が出てきて、そして間もなく死んでしまうという事が頻繁に起こるんですね。
なので、ヤマトヌマエビが赤くなって死んでしまう場合は、そもそも濾過がうまく機能していない可能性が高いという事が分かりますよね。
つまり、ヤマトヌマエビが赤くなる=水質悪化のサインでもあるんです。
もし、適正温度にも関わらずに体色が赤くなる場合は水質を見直す必要があるという事なんですね。
熱帯魚の数が多い場合は濾過機能を高める必要あり
そもそも、アンモニア濃度が高くなる原因って何でしょう。。。
もうお気づきかと思いますが、多くは生体の排泄物(糞)や食べ残しから発生します。
つまり、生体を多く飼育している水槽ではアンモニア濃度が上昇しやすいという事なんですね。
故に、熱帯魚をいっぱい飼育している水槽では濾過機能を高めるか、生体の数を減らすかで水槽の水に対して濾過が追い付くような環境にしなくてはいけません。
濾過機能の高いフィルターといえば、やはり外部式フィルターとか、上部式フィルターでしょうか。
これらは、濾過材が大量に入るので、そもそも他のフィルターに比べて濾過能力が段違いなんですね。
濾過がしっかりと効いているかの目安は、立ち上げ当初に発生しやすい「茶ゴケ」の有無です。
茶ゴケは、水槽のガラス面や、フィルターのパイプなどに発生するヌメヌメしたやつです。
こいつは濾過がしっかりと機能している水槽では完全に発生しなくなるので(他の緑色とかのコケは普通に発生しますが・・・)、これの発生の有無で生物濾過が上手く機能しているかの目安になります。
溶存酸素量も意識して
また、溶存酸素の量にも意識しなくてはいけません。
溶存酸素とは、水の中にどれくらいの量の酸素が含まれているか。。。ということですね。
水を綺麗にしてくれるバクテリアは、大量の酸素を消費します。
もし、溶存酸素量が少ない場合は、バクテリアが弱って水が白く濁ったり、バクテリアが死んで水面に油膜となって現れる場合があります。
水が白く濁ったり、油膜が出来る原因は多々ありますが、これらが現れた場合はエアレーションするなり酸素量を増やして様子を見るといいでしょう。
さいごに
ヤマトヌマエビが赤くなると、もはや手遅れというくらい数日後に死んでしまう可能性が高いです。
つまり、色が付いているのは死相ともいえるんですね(汗
こういう言い方をすると怖いですね・・・。
店でヤマトヌマエビを購入するときは、濁っていたり、赤くなっている個体は絶対に選んではいけません。
とにかくクリアで透明度の高い個体だけを選ぶようにし、しっかりと濾過機能が効いた水槽で飼育するようにしましょう!