メダカといえば日本でも馴染み深い魚で、この名前を聞いたことが無いという人はまずいないですよね。
昔から観賞魚として絶大な人気を誇り、現在では改良品種が日々、作出されており「泳ぐ宝石」と称されるほどの存在となっています。
世界中を見渡しても、メダカの仲間は結構いて、あの人気のグッピーやプラティもメダカの仲間ですし、アフリカンランプアイという青い目が人気の熱帯魚もメダカの仲間です。
そして、メダカの仲間ではあるのですが、ちょっと他種とは姿が違う独特な姿をしている種に「クラウン・キリー」という魚がいます。
特徴あるヒレの形状や模様から、マニアからは非常に人気のある熱帯魚なんですね。
ここでは、クラウンキリーの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきたいと思います!
クラウン・キリーについて
クラウン・キリーは、西アフリカのリベリアやギニアに生息する、卵生メダカの仲間です。
茶褐色の体表に、明るい縦線が入る縞々(しましま)模様が特徴的な熱帯魚で、目はメタリックで光沢のあるブルーに輝き、キラッキラ映えて綺麗なんですよね~コノ目。。。
そして、クラウン・キリー最大の特徴は、長く伸長した尾ビレなんですね。
じっくりと飼育すると、尾ビレは多彩なカラーがみられ、オレンジ、黄色、赤、青など、息をのむほど美しいとは、まさにこのことでしょう!
また、採取される場所(地域)によって、体色に特徴があったりする「地域変異」が見られることでも知られています。
複数導入すれば、もしかしたら様々なバリエーションのクラウン・キリーが見られるかもしれませんよ!
ちなみに、クラウン・キリーの「クラウン」とは、王冠を意味する「crown」ではなく、道化師(ピエロ)を意味する「clown」なんですね。
まあ、この独特で派手な感じのカラー、、、まさにピエロかもしれませんね(笑
グッピーやプラティのように、いきなり稚魚を出産するタイプを卵胎生(らんたいせい)メダカといいますが、クラウン・キリーは、普通のメダカと同じく卵を産む卵生メダカで、上手に飼育していれば水槽内繁殖も容易です。
クラウン・キリーの飼育データ
- 体長:3cm~3.5cm
- 水温:20℃~28℃
- 水質:弱酸性~中性
- 寿命:2年前後
- 参考価格:1匹あたり400円前後
クラウン・キリーは、体長が3cmほどの小型の熱帯魚です。
とても温和な性格で、他の同程度の大きさとの熱帯魚であれば気軽に混泳が楽しめます。
繁殖を目的とする場合は、本種のみで飼育するのがいいですよ!
水質に若干ですが、敏感な面があります。
ただ、いったん環境に慣れてしまえば、基本的に丈夫な種なので飼育難易度は高くありません。
濾過が効いた水質づくりを!
クラウン・キリーは、水質悪化には弱い熱帯魚です。
体長が悪いと発色が薄かったり、体表に変化が見られるので一つの指標にもなるんですね。
なので、濾過能力の高いフィルターを使用した方が断然、飼育しやすい熱帯魚といえます。
水質に敏感な熱帯魚と言うのは、排泄物や汚れから発生するアンモニアや亜硝酸濃度が高いと体調を崩しやすいんですね。
まあ、これらの物質は生体に超有害なモノですから、どんな熱帯魚にも当てはまることですが。。。
このアンモニアや亜硝酸といった有害物質は、「生物濾過」というサイクルにより他の比較的無害な物質へと変換されますが、それを行ってくれるのが「バクテリア」という微生物なんですね。
アクアリウムでは、バクテリア、、、よく聞く言葉かと思います。
立ち上げ当初の水槽には存在しなく、徐々に基本的に、徐々に増えていくものなんですね。
水槽を完全に立ち上げるというのは、バクテリアがしっかりと繁殖し、有害物質を分解してくれる段階にあることを指します。
いくら水質に敏感な魚といわれていても、そういった水質下で飼育すれば、超余裕で飼育が出来ますよ!
導入時の水質変化に注意を!
水質に敏感な熱帯魚で注意しなくてはいけないポイントはもう一つ。。。
それは、購入してきてから自宅水槽に入れる時です。
購入したときは、熱帯魚はショップの水槽の水と一緒に袋に入れられますよね。
これは、ネットショップで購入した時も同じです。
その袋に入っている水の水質と、自宅水槽の水質は全く同じってことはさすがになく、水温も異なります。
なので、そこへいきなりドボンと投入してしまうと、水温の急変で体長を崩して病気を発症したり、水質(pH値)の急変でショック症状を引き起こし死んでしまう事すらあるので要注意です。
それを防ぐ為に行うのが「水合わせ」です!
じっくりと時間をかけて水合わせをした後、水槽内に入れるようにしましょう。
クラウン・キリーの餌について
クラウン・キリーは、導入してすぐに人工飼料に餌付きやすい熱帯魚です。
基本的には、グッピーやカラシンに与えるような浮遊性フレークタイプの人工飼料をメインに与えるといいでしょう。
体長が小さい熱帯魚なので、たまにブラインシュリンプを与えるのもお勧めです。
クラウン・キリーの繁殖について
普通のメダカ同様で、水槽内に元気なオスとメスがいれば繁殖が可能です。
成熟した個体ではオスとメスの判別が容易で、オスは尾ビレの真ん中が伸長して、色もとにかく鮮やかで綺麗です。
メスは、ヒレが透明な部分が多く、オスに比べて地味な感じですね。
発情したオスは、メスを追いかけまわす行動が見られます。
そうすれば産卵も間近で、ウィローモスのような複雑な茂みを形成する水草を産卵床として水槽の底に敷くように入れておくと便利です。
産み付けられた卵は見つけたらすぐに回収して、隔離した方が無難です。
孵化した稚魚が、メチャクチャ小っちゃいので、これをある程度大きくするとこだけ難しいと言われます。
ブラインシュリンプも口に入らないほど小さいので、最初はインフゾリアを沸かして与えるのが望ましいでしょう。
さいごに
熱帯魚でメダカというと、なんだか地味そうなイメージすらありそうですが全くそんなこと無いんですよね。。。
今や日本のメダカだって、改良品種が数万~数十万以上の値段で取引されることがあるので、ある意味、日本のメダカ最強説がありますが・・・、クラウン・キリーは姿そのものが普通のメダカと異なるので、それだけで魅力的だといえます。
さらに、独特の模様に加え、多彩なカラーは本当に綺麗です。
ちょっと難しいですが、繁殖によって種を繋ぐことも可能なので、飼育に繁殖ともに楽しめる点も良いですよね!