メダカのビオトープ(水槽)の掃除屋「ヒメタニシ」は水質を綺麗にしコケをも除去する

コケや水を掃除する貝類(淡水)

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メダカを飼育する水槽では、熱帯魚同様に水質管理は欠かせないのは言うまでもありません。

特に野外に設置するビオトープでは、基本的にフィルターを使用しないので水質には気を配らなくてはいけません。

綺麗な水質を維持する方法は色々とありますが、ここでは生体に頼った方法をご紹介いたします。

ちなみに、その生体とは「ヒメタニシ」といって日本国内にもごく普通に生息していて、メダカやミナミヌマエビなどと生息域がほとんど同じ貝類なんですね。

なんと、このヒメタニシは「水質を綺麗にする」という驚くべき能力を持ったスゴイ貝なんです。

下記では、このヒメタニシをメダカ水槽に入れるメリットや注意点について書いていきますね。

 

ヒメタニシについて

ヒメタニシは、日本国内の本州~九州にかけて生息するタニシです。

比較的、川の浅い部分に良くいることが多く、小川は用水路、田水といったようにメダカ野生のメダカが生息する場所と同じ水質を好むようなタニシなんですね。

主食は藻類で、石などに発生する藻などを食べて生活しています。

水がなくなっても少しの間ですが、生存できるなかなか生命力の高いタニシでもあります。

 

ヒメタニシの飼育データ

  • 体長:約3cmほど
  • 水質:弱酸性~弱アルカリ性まで対応できます
  • 水温:5℃~28℃
  • 寿命:2年~4年(自然界)※飼育下では短命になる場合が多い

 

ヒメタニシは体長が3cmほどのタニシで、アクアリウムで良く用いられるイシマキ貝と同じくらいのサイズとなります。

石巻貝(イシマキガイ)は最高のコケ取り職人!水槽で飼育するメリットとデメリット・注意点について

 

熱帯地方ではなく、日本国内に生息するタニシだけあって、水温が5℃~28℃と幅広く対応できますので、これを下回らない地域であれば屋外でヒーターなしで飼育が出来ます。

そして、ヒメタニシには「水質を綺麗にする」効果がある珍しいタニシなんですね。

その為、メダカの飼育とセットでヒメタニシを導入する方は非常に多いです。

 

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植物プランクトンを抑制する効果(透明度up)

メダカを飼育していると、水槽の水が緑色になることがあります。

いわゆる「グリーンウォーター」ってやつですね。

グリーンウォーター自体は、メダカの飼育に全くの無害で、むしろメダカ飼育に非常に適した水質になるのですが、濁って観賞価値が下がるというのが難点です。

「グリーンウォーターを透明の水に戻したい」、「常に透明な水を維持したい」という方は、ヒメタニシを導入してみてください。

数日も経てば、ビックリするくらい透明の水にしてくれますから。。。

というのも、そもそもグリーンウォーターって、水が緑色に染まっているわけではなく、植物プランクトンが大量発生することで緑色に見えるんですね。

この植物プランクトンは、ニメタニシにとってはご馳走で、捕食することで数が激減し、透明度が戻るということなんですね。

メダカの稚魚育成に最適!餌にもなる「グリーンウォーター(青水)」の特徴と作り方

 

グリーンウォーターは、メダカの稚魚育成にとても役に立つ水ですので、グリーンウォーターを作ろうとする場所ではヒメタニシは入れないようにしましょう。

 

餌は水槽内に発生する藻類

ヒメタニシは、水槽内に発生するコケなどを食べるため、特に餌を与えなくても基本的には大丈夫です。

ただ、複数導入する場合や、水槽が綺麗に保っている場合は、エサ不足になることが多々あります。

ヒメタニシは水槽内飼育では寿命が短いといわれますが、餌の問題で栄養が十分に摂取できないことが最大の理由としてあげられます。

なので、コケが全く発生しなくなった水槽では、定期的に茹でたホウレンソウなどを入れてあげるのが望ましいでしょう。

 

ヒメタニシは夜行性の生き物

ヒメタニシは夜行性のため、基本的に夜中に活動をしています。

日中は、水面付近でジッとしていたり、砂の中に潜っていることもあります。

また、寒い季節になるとその間はずっと砂に潜って越冬します。

屋外飼育だと冬の間は、ヒメタニシの姿が見られなくなっちゃうかもしれませんね。

 

簡単に増やせる(ただし増えすぎ注意)

ヒメタニシは、繁殖形態が「卵胎生」といって卵じゃなく、稚貝を産むという面白い生態を持ちます。

卵胎生といえば、グッピーやプラティが有名で、お腹の中で卵を孵化させて、稚魚の状態で「出産」します。

それの貝バージョンってことですね。

なので、卵が水槽面や水草のあちこちに張り付いて見栄えが悪くなるということがありません。

ちなみに、オスは右の触覚が輸精管の役割をする関係で、先が丸くなっているのが特徴です。

飼育する際はぜひ観察してみてください。

 

自然界では夏(6月~8月ごろ)に繁殖を行います。

屋外で飼育している場合も、上記の季節に繁殖が行われるでしょう。

屋内で水温を一定に設定している場合は、年中増える可能性があるということになります。

 

繁殖自体は簡単ですが、1度に出産する数が少ないため、導入する数が少ない場合は増えすぎて困るということは少ないはずです。

ただ、弱アルカリ性の硬水、さらに水温を高めに設定すると増えるスピードが格段に上がります。

もし増えすぎた場合は、間引きして調整するしかないでしょう。

 

さいごに

生体を入れることで水が綺麗になるなんで、導入しない方が勿体ないですよね。

ちなみに、他にもフィルター以外で水を綺麗にする方法としては「浮き草」があります。

メダカの飼育に産卵(繁殖)と浮き草の密接な関係とは!?人気のお勧め浮き草をご紹介

 

特にフィルターを使用しない野外ビオトープでは、浮き草とヒメタニシは水質を維持するための強力なパートナーになってくれます。

これからメダカを飼育しようとしている方は、ヒメタニシもセットで飼育してみると、より簡単に飼育できること間違いありません!

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